nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #088「蔵馬vs電鳳(大会編)」

――魔界統一トーナメントのDブロックの二回戦・第一試合

 

蔵馬(くらま)
×
電鳳(でんぽう) 

 

――メイン会場

 

「あーっと!!Dブロックでは蔵馬選手が妖狐の姿に変わりました!!!これは非常に注目です」

 

蔵馬が試合開始早々に妖狐化した事で小兎のテンションが上がった。

 

観客席では雪菜が試合を観戦している。

「蔵馬さん、変身してしまいましたね」

 

――Dブロック

 

妖狐へと変貌を遂げた蔵馬

美しい銀髪を手で掻き上げる。

その姿は中性的で妖しい色気を醸し出していた。

 

電鳳は顎に手をやると、顔を近付けて妖狐蔵馬をまるで値踏みするように見る。

「それがお前の本当の姿か?」

 

「ああ、そうだ」

 

ブォォォォォォォォォ!!!!!

 

妖狐蔵馬は攻撃的な妖気を電鳳に向けて放出し始めた。

 

ピシピシ

 

大地に亀裂が入る。

 

電鳳、ニヤリ。

「ほ~う。気持いいぐらいの攻撃的な妖気だな。坊主(幽助)の友達だけはあるようだ」

 

「お前を相手にするのに南野秀一の肉体で挑むほど馬鹿ではない。行くぞ」


――選手たちの休憩所

 

いきなりの妖狐化に桑原が驚く。

「おおー!?蔵馬の奴、いきなり妖狐の姿になりやがった」

 

「相手が雷禅の仲間だからな、蔵馬は最初から全力で行くつもりだろう」

飛影は蔵馬が妖狐になるのを予見していたようだ。

 

幽助、ニヤリ。

「蔵馬、おめーの全力の力を見せてもらうぜ」

 

――会場近くの崖の上

 

比羅たちは巨大スクリーンに映し出されている妖狐に変化した蔵馬の姿を見ている。

 

比羅と駁が横に並んでスクリーンを見る。

「なるほど。あれが黎明を倒した蔵馬の本来の姿か」

 

「確かに凄い妖気だが、あの程度では俺の敵ではないな」

 

「駁、奴は黎明を倒した男だ。油断は決して出来ないぞ」

 

駁、ニヤリ。

「比羅、俺に油断があると思うか?」 

 

「フッ、ないな。お前はどんなに力が弱い者に対しても手を抜かない男だからな」

 

スクリーンでは蔵馬が電鳳に対して攻撃を仕掛け始めた。

 

「比羅、始まるぜ」

 

「妖狐蔵馬、黎明を倒したその実力を見せてもらうぞ」 


――Dブロック

 

カーーー!!!

 

ドン!!!!!!!!

 

地中から閃光と共に巨大なオジギソウがその姿を現した。

 

《ギイギギー!!》

 

不気味な鳴き声を発するオジギソウ。

 

(あいつの能力はどうやら植物を扱うことのようだな)

電鳳はその場から動かずに妖狐蔵馬の動きを観察している。

 

妖狐蔵馬がオジギソウに命令。

「行け」

 

電鳳への攻撃の合図。

 

《ギイギギー!!》

 

「ここは魔界だ。獰猛なお前の力を存分に発揮するがいい」

 

オジギソウが電鳳に勢いよく向かっていく。

 

「どれどれ楽しそうだな。行ってみるかな」

 

ズンズンズンっと巨体を揺らしながらオジギソウに向かっていく。

そして電鳳はオジギソウの巨大な身体をガシッと両手で掴んだ。

 

「何をするつもりだ」


《キキ》

 

オジギソウは電鳳を丸ごと呑み込もうと巨大な口を開けた。

 

電鳳、ニヤリ。

「おいおいおい。俺を呑み込んでも美味くないぞ」

 

ブォォォォォォォ!!!!


電鳳の身体から巨大な妖気が放出され始めた。

凄まじいまでの砂煙が辺り一面に吹き荒れる。

 

「なるほど?さっきのお返しとばかりの攻撃的な妖気だな」

 

ピシピシピシ

 

オジギソウを掴む電鳳の両手の筋肉が張り始めた。

 

「ウォォォォォ!!!」

 

そして腕の筋肉がボンッと急激に膨らんだ。

 

「よいしょっと」

 

グググッと両腕に力を込めた。

するとなんと自分の身体より数倍の大きさはあるオジギソウを両手で持ち上げた。

 

「何だと!?」


《ギギギ!?》

 

妖狐蔵馬もオジギソウも電鳳のパワーに驚く。

 

「ほらくれてやるぞ」

 

ビューーーン!!!!

 

オジギソウの巨体をまるでボールを投げるように軽々と妖狐・蔵馬に向けて投げつけた。

 

「これは想像以上だ。驚いたな」

 

バッ

 

空中にジャンプして投げつけてきたオジギソウをかわす。

 

ズン!!!!!

 

オジギソウの巨体は地面に叩きつけられた。

妖狐蔵馬は空中で倒れているオジギソウを見る。

 

「呆れたパワーだ」

 

電鳳はパンパンと両手を叩く。

 

「今のはほんの挨拶代わりだ」

 

地面に着地する妖狐蔵馬。

「派手な挨拶だ」

 

《ギイーーギギ!!!》

 

地面に倒れていたオジギソウは起き上がると不気味な鳴き声を上げて電鳳を見た。

強い殺気を電鳳に向けている。


「中途半端な攻撃で気の荒いオジギソウに火をつけてしまったようだな」

 

《ギイギギギ》

 

オジギソウは電鳳に攻撃を加える為に行動を起こし始めた。

妖狐蔵馬はそのオジギソウを冷静に観察。

 

「オジギソウは完全にお前を敵と見なした」

 

電鳳は手の骨をボキボキと音を鳴らし、笑みを浮かべると戦闘態勢を整え始めた。

 

「俺もぼちぼち暴れてやるか」

 

電鳳に対して敵外心を剥き出したオジギソウとその最強クラスの力を今まさに発揮しようとしている電鳳。

両者がぶつかり、これを気に激しい闘いに突入する。

 

続く

 

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