nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

nanaseの世界【総合INDEX】

こちらは「nanaseの世界」を旅するのに便利な総合INDEXとなっています。

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■小説

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~


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紹介:週刊少年ジャンプで連載された冨樫義博先生原作の人気漫画・幽☆遊☆白書の続編小説です。

 第一回魔界統一トーナメントから三年。第二回魔界統一トーナメントの開催が迫る中、幽助・桑原・蔵馬・飛影たちの新たな戦いが始まる。人間界・魔界・霊界を巻き込む最大の戦い、そして第四の世界が幽助たちを待ち受ける。

            

【本編INDEX】

プロローグ

#001~#050

#051~#100

├#101~#150

├#151~#200

└#201~#250

 

【本編SIDE STORY】

┌黄泉の恐怖の遊園地

└桑原軍団の飲み会

※工事中

 

【登場人物紹介】

幽☆遊☆白書及び2ND STAGEの登場人物を掲載しています。
人物辞典

 

【魔界統一トーナメント対戦表】

本編の大会編で行われる事となった第二回魔界統一トーナメントの各対戦の組み合わせを掲載しています。

 

 一回戦の対戦表
Aブロック
Bブロック
Cブロック
Dブロック

 

②暗黒天使の落涙


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【本編INDEX】

#001~#050

 

■映画

 

①DVD/Blu-ray/UHDレビュー


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こちらはnanaseが所有する映画のソフトの感想と解説を中心としたコーナーです。

 

ア行/カ行/サ行/タ行ナ行

八行/マ行/ヤ行/ラ行/ワ行/その他

 

■日記

 

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こちらは過去に書いた日記を掲載しています。

2020年

 

 

 

■リンク集

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 こちらは当ブログでお世話になっているブログ・サイトを紹介しています。

※工事中

 

 

総合INDEX内のコンテンツは随時更新していきます。

 

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幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #080「チビッ子?対決の決着(大会編)」

――Aブロック闘場内にある深い森

 

「あいつは何処に行ったんだ?」

 

修羅は森の中で鈴駒の姿を見失なっていた。

 

ザッザッザッ

 

修羅は暗く深い森を歩いてゆっくりと進んで行く。

 

「結構、深い森だ」


修羅が深い森と言うほど、闘場に設置されている森は険しく、数えきれないほどの、魔界の独特の木や草花に囲まれており、夜のような暗さで不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

――選手たちの休憩所

 

凍矢と陣は鈴駒の意外な行動を不思議そうに見ていた。

はたから見たら森に逃げたようにも見えるだろう。

彼等は鈴駒には何か考えがあるのだろうと思っていた。

 

「しかし鈴駒は闘場の森に何をしに行ったんだ?」

 

「酔は何か知らないか?」

 

酎は鈴駒の考えに気付く。

「鈴駒の奴、もしかしてあの技を使うつもりか」

 

陣が聞き返した。

「あの技?鈴駒は酎と修行をしていたんだよな。鈴駒は何か新しい技を編み出したのか?」

 

酔は頷くと腕を組んだ。

「ああ。俺が思っている通りの技だったら、あれは中々強力だぞ」

 

「どんな技か楽しみだなー」

陣は興味津々にスクリーンに映る鈴駒の姿を見た。

 

だが、酔は内心では、鈴駒の敗北を予感していた。

(ヨーヨーを失ったあいつが修羅と戦うにはもうあれしかない。だが、修羅にこれが通用しないなら鈴駒は確実に負けるぞ)

 

――Aブロック

 

深い森の中を進む修羅を巨木の上から見つめる視線が一つ。 

 

(来たな) 

 

バッ!

 

鈴駒が巨木から飛び出して地面に着地した。

 

「現れたな」

 

鈴駒は修羅を指差す。

「修羅!これが最後の勝負だ」

 

「逃げたのかと思ったよ」

 

「そんなわけないだろ、ここにお前を誘き寄せただけだ」

 

修羅は森の中を見渡した。


修羅、ニコリ。

「なるほどね」

 

「へへっ。暗い森だから分からないだろう?おいらはこの森にちょっとした仕掛けをさせてもらったよ」 

 

「仕掛け?ここで何を企んでいるのか知らないけど、僕には防御壁があるから下手な小細工は通用しないぞ」

 

「悔しいけど妖力ではおいらは修羅に勝てない。ヨーヨも失ってしまった。でも今のおいらがお前を倒すにはもうこの技しかない」

 

「バーカ。何をしたって僕を倒すのは無理だよ」 

修羅は鈴駒に余裕の顔を見せる。

自分の強さに自信があるといったところだ。

 

鈴駒、ニヤリ。

「確かに修羅は俺より遥かに強い。だけどさ、俺はお前を倒してやるさ!おいらが手を挙げると仕掛けは発動する」

 

スッ

 

鈴駒はそう言うと右手を上に挙げた。

 

ピーーン

 

何かを張ったような不気味な音が聞こえてきた。

 

「何の音?」

 

「修羅、これでお前の動きを封じた」

 

「今何かしたみたいだけど、僕の動きを封じられるわけないじゃんか」

 

バッ

 

修羅は鈴駒の言葉を気にせずに上に向かってジャンプした。

 

ビリビリビリ!!!!!

 

「うわァァァ」

 

修羅の全身に強い電流が流れるような激しい痛みが走った。


「くっ!」

 

修羅はたまらず地面に着地した。

 

「びっくりした。今のは何が起きたんだ?僕の身体に激しい痛みと痺れを感じた」

 

修羅は目を丸くしてかなり驚いていたようだ。

鈴駒は上手くいった事に手をグッと握り締めた。

 

「動きを封じたと言っただろ」

 

修羅は上を見上げた。

「僕の周りに何を使っているのか分からないけど、結界のような物を張り巡らして、そこにお前の強力な妖気を流しているみたいだね」


「まあね。正解だよ。そしてこれがおいらのヨーヨーに代わる新しい武器だ」

 

ザン

 

鈴駒は修羅に小さな独楽(こま)を見せる。

 

「独楽?ヨーヨーに続いてまたそんな玩具をだすの」

 

「へへへ、これがおいらの新技・魔独楽だ」

 

――選手たちの休憩所

 

「独楽って、あんなものを武器にするのか!?」

桑原は鈴駒の出した武器が独楽って事に驚いていた。

 

幽助、ニヤリ。

「鈴駒の奴、結界を張るとは考えたな」

 

「あれっ?」

桑原は急に周辺を見渡し始めた。

 

「そういえば、黄泉の奴の姿がいつの間にか見えないが?」

 

蔵馬が答える。

「黄泉なら修羅が鈴駒のヨーヨーを破壊するちょっと前ぐらいに自分の試合に行きましたよ」

 

幽助、ちょっと呆れ顔。

「桑原、黄泉がいなくなったのに気付かなかったのかよ」

 

「いつの間に……」

さっきまで一緒にいた黄泉の姿がいつの間にか消えていることに全く気付かなかったのだ。

 

「黄泉がいなくなったのに気付かないなんて、鈴駒の試合によっぽど、夢中になっていたんだな」

 

蔵馬、ニコリ。

「桑原君は鈴駒と暗黒武術会で戦いましたから、鈴駒の試合はかなり気になるでしょう」

 

「あいつとは同じブロックだしよー。戦えるならあいつとまた戦いたいぜ」


「鈴駒が修羅に勝ったとしても彼と対戦するまでに、二回戦で武威、三回戦では恐らく時雨が勝ち上がってくるだろうから彼等を倒さないといけないですよ」


「時雨も同じブロックだった……すっかり忘れていたぜ」

(ま……、時雨と戦えるのは嬉しいけどよー)

 

桑原はフゥーっとため息をついた。

 

幽助が声を上げた。

「おい、おめーら鈴駒が仕掛けたぞ」


「おっ!」

 

「決着は近いかもしれませんね」

 

幽助たちはスクリーンに映る両者の姿に注目した。

 

――Aブロック

 

ビュー!

 

鈴駒は独楽を空中に向けて投げた。

 

シュゴー!!

 

投げた独楽は空中で回転し始める。

 

「な、何で!?」

 

修羅は驚愕。

 

何と鈴駒の独楽は空中で回りながら進んでいたのだ。


鈴駒の目が鋭くなる。

「行けー!」

 

鈴駒の声が森に響き渡った。

独楽は空中で回りながら徐々に修羅に向かっていく。

 

グォォォォォ!!

 

「お前はその場から動こうにも結界の位置が分からないから防御壁を張るタイミングが分からないはず。下手に動くとさっきみたいになるぞ」

 

だが、修羅は至って冷静だった。

(この場から動かずに、独楽が僕に攻撃してくるまで待ってから防御壁で防ぐまでだ)

 

「修羅!!最後の勝負だ!」

 

ズキューン

 

鈴駒は修羅に自らも向かっていった。

 

(なるほどね)

 

(防御壁でおいらの攻撃が防がれたとしても、この一撃で防御壁は消える。その消えた瞬間を独楽が狙う。おいらには結界の位置は分かるからな)


ビューン!!

 

鈴駒は修羅に鋭いパンチを放つ。

 

修羅の顔が真剣になった。

「お前の考えは分かるよ。僕を甘くみないでよ」


バッ!

 

修羅は張り巡らせた結界に向かってジャンプして鈴駒の攻撃をかわした。

 

修羅の予想外の行動に鈴駒は慌てた。

「な、自ら結界に!?」

 

結界がある為にその場から修羅が動かないとふんでいた鈴駒は流石に驚くしかなかった。

そして結界に触れた修羅は……。

 

ビリビリビリ!!!

 

さっきと同じく修羅の身体に鈴駒の流した妖気が流れ込む。

 

修羅、ニヤリ。

「僕が自ら結界に飛び込むなんて驚いただろ?」

 

グッ

 

結界によるダメージを受けながらも空中で妖気を集中し始めた。

 

「ヤァァァァァァ!!」

 

激しい痛みを空中で耐える。

だが、修羅の妖気はどんどん上昇していく。

 

鈴駒は呆然としていた。

「嘘だろ……」

 

「さっきはいきなりで驚いたけど、パパとの修行に比べたらこの程度のダメージなんか楽勝で耐えられるよ」


パシッ

 

そして修羅は妖気を身体に流されながらも結界の元になっているものを手で掴んだ。

 

「なるほどね。黒色の糸を妖気で硬化してから張り巡らしていたわけだ。暗がりだから分からないはずだよ」

 

鈴駒の放った独楽は、結界を張る為に張り巡らしていた硬化した黒い糸の上を回りながら辿り、修羅に迫っていたのだった。 

 

グォォォォォ!!

 

独楽が修羅に迫る。


「こんな結界と独楽など」

 

ググッ

 

修羅の身体から妖気の光が溢れ出てくる。 

 

「全力だーーー!!!森と共に消し飛べーー」

 

バーン

 

修羅は空中で両手を左右に大きく広げると妖気を一気に解放した。

 

「や、やばいよ!!!!」

 


ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!

 

Aブロックの闘場に設置された森は大爆発を起こして、独楽と結界、さらに鈴駒までも消し飛ばしたのだった。

 

――メイン会場

 

小兎がヒートアップ。

「修羅選手の解放した妖気でAブロックの闘場の森が全て消し飛びましたァァァァァァ!!!!!」 


流石が大声で叫んだ。

「鈴駒ちゃん!!!!!!!」

 

――選手たちの休憩所

 

酎がスクリーンに映し出される光景に呆然としていた。

「り、鈴駒!?」

 

陣と凍矢も酔と同様に呆然としている。

「修羅、あいつは本当にすげー奴だぞ……」

 

「鈴駒の新技も全く通用しないとはな……」

 

幽助は修羅の妖気を感じて、ニコリ。

「あれが修羅の全力の力か」

 

桑原は鈴駒の身を案じていた。

「鈴駒の奴は大丈夫か!?」

 

――Aブロック

 

ピキーン

 

修羅の身体の周りには魔古忌流煉破反衝壁が張られていた。

修羅は自ら放った妖気の爆発を反衝壁で吸収しながら身を守っていたのだ。

 

「フゥ~っ」

 

修羅は地面に着地した。 


修羅辺りを見回して、ニコリ

「やり過ぎちゃったかな」

 

既に森の姿は完全に無くなり、焼けた後しか残っていなかった。 

 

「修羅」

 

修羅の腕には鈴駒の姿があった。

 

スッ

 

修羅は鈴駒を地面に下ろした。

 

「なんで、おいらを助けたんだ?」

 

「なんとなくだよ。でもあえていえばお前とはまた戦いたいと思ったからかな」

 

鈴駒は目を閉じて微笑んだ。

「おいらの完敗だ」

 

鈴駒は修羅に自らの敗北を認めた。

 

両者の様子を上空の審判が確認。

「Aブロックの第七試合は修羅選手の勝利です!!」

 

審判が修羅の勝利を宣言した。

 

――メイン会場

 

「あーと!鈴駒選手が自らの敗北を認め、修羅選手の二回戦への進出が決まりましたァァァ!!!」

 

流石は鈴駒の無事が分かり、涙顔で安心していた。

「負けたのは残念だけど、鈴駒ちゃんが無事で良かった……」

 

――選手たちの休憩所

 

幽助はちょっと驚いていた。

「あの修羅が鈴駒を助けるとはな」

 

蔵馬、ニコリ。

「彼も成長しているわけですよ」

 

桑原はちょっと青い顔をしていた。

「小僧と人間界で会った時はかなりスゲー奴だとは思っていたがここまで強いとは……」

 

「彼の全力の妖気を見て幽助はどう思った?戦ったら勝てそうか?」

 

「かなりの強敵には間違いないが、黄泉ほどではねーからな。多分大丈夫だ」


幽助がスクリーンに目をやると試合を一撃で決めていた黄泉の姿が映っていた。

 

――Aブロック

 

「子供扱いして悪かったな」

鈴駒は素直に頭を下げた。

 

修羅、ニコリ。

「分かればよろしい。これからは言葉に気をつけろよ」

修羅は勝ち誇った笑顔。

 

鈴駒、顔をしかめる。

「やっぱ本当に可愛いくないガキだな」

 

「あー、またガキって言ったなァァァ!」

 

鈴駒、ニヤリ。

「すぐにムキになるのがガキの証拠だ」

 

「お前なんか助けるんじゃあなかったよ」

 

「なにおう」

 

バチバチバチ

 

鈴駒と修羅は互いに顔を近づけて目から火花を飛び散らす。

注目の対決は最終的に修羅の圧倒的な強さを見せつける結果となった。

修羅はこの後も試合を重ねて急激に成長していくことになる。 

そして一回戦はさらに進み、もうすぐあの男たちの再戦が行われようとしていた。

 

浦飯(うらめし)
×
陣(じん)

 

続く

 

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幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #079「修羅の実力(大会編)」

――魔界統一トーナメント一回戦のAブロックの第七試合・修羅vs鈴駒の戦いは続く。 


鈴駒は修羅の防御壁の攻略方法を探す為、修羅に接近して激しい攻撃を続けていた。

 

「これでどうだー!」


ビューン!!

 

鈴駒は強烈なパンチを修羅の顔面を狙って放つ。

 

ピキーン

 

ガッ

 

修羅が張る防御壁によって鈴駒の攻撃が阻まれる。

 

「くそっ!」

 

修羅は鈴駒に手を出さなかった。

ひたすら鈴駒の激しい攻撃を防御壁で防いでいたのだった。

その顔には、防御壁に絶対的な自信があるのか、余裕が伺える。

 

「残念でしたー」

修羅は舌を出して鈴駒を馬鹿にする。

この修羅の態度に、鈴駒はかなりムカムカしていた。

 

「こんにゃろー」

 

ブーン!!

 

鈴駒は今度は修羅の顔面目掛けて回し蹴りをくらわす。

 

「ばーか ばーか。それも無駄だよ」

 

ピキーン

 

ガッ!

 

またもや鈴駒の攻撃は防御壁によって阻まれた。

 

「くそ~っ!さっきから何度も何度も攻撃しているのに一発も当たらないぞ」


「パパ直伝の防御壁は最強だもんね。無駄だということがいい加減分かっただろ?」

 

「修羅、お前は攻撃してこないのかよ!」

 

修羅、ニコリ。

「そうだね。そろそろ飽きてきたし、ハンデは終わり。僕も攻撃させてもらうよ」

 

フッ

 

(!)

 

修羅の姿が一瞬で鈴駒の前から消え去った。

 

「ど、どこだ!?」

周囲を見回して修羅の行方を探す。

 

フッ

 

修羅が鈴駒の頭上に現れた。

 

「バーカ、こっちだよ~」

 

ビュッ!

 

(なっ!!)

 

バキッ!!!

 

修羅は鈴駒の顔面を蹴り飛ばした。

 

「うわっ!!」

 

ヒューー

 

鈴駒の小さな身体が蹴られた衝撃で吹っ飛ぶ。

 

ドシャッ!!!

 

地面に身体が叩きつけられた。

 

「何故だ?今のは全く修羅の動きが見えなかった!?」 

鈴駒はゆっくりと立ち上がる。

 

「ハハハ!行くよー」

 

ズキューン!!!!!!!


修羅は高速で一気に鈴駒の懐に入り込む。


「は、速い!?」

 

「ほらほら!」

 

ビューン!!

 

バゴォォォォ!!

 

鈴駒の顎に修羅の一撃が入る。

 

「ぐっ!」

 

グラッ

 

修羅の強烈な一撃は鈴駒の足をぐらつかせる。

 

「もう一発」

 

ビュッ!!

 

修羅は鈴駒の肩を蹴っ飛ばした。

 

バキィィィ!

 

「うっ」

 

ズザザザ……

 

鈴駒は修羅の蹴りを受けた衝撃で後ずさる。

 

「最初の肉弾戦の時よりも、修羅の攻撃力もスピードも格段に上がっている……。これが本気になった修羅の力か!?」

 

「僕が本気になったら動きについてこれないみたいだね。サービスで肉弾戦は防御壁なしで戦おうか?」

 

修羅は無邪気な顔をしている。

それはまるでイダズラをする子供のようだ。

 

この修羅の態度に鈴駒はカチンときた。
「おいらを舐めるなァァァァ!!」

 

ズキューン

 

鈴駒は怒りにまかせて修羅に向かって駆け出した。

 

ビューン!

 

鈴駒はパンチを修羅に放つ。

だが、修羅は素早く動いて攻撃をかわす。

 

「ほらよっと」

 

ビューーーン!!!!

 

修羅は攻撃をかわすと直ぐに鋭いパンチを鈴駒の腹部に撃ち込んだ。

 

バゴォォォォ!!

 

今度は鈴駒の腹部にまともに修羅の一撃が入った。

 

「ゲフッ……」

 

修羅、ニコリ。

「おまけだよ」

 

ブーン!!!!!

 

修羅は身体を回数させ、強烈な回し蹴りを放った。

 

バキィィ!!!

 

「うわァァァ!!!」


ヒューーーー!!!!

 

ガッ!

 

ドシャッ

 

激しく地面にバウンドしながら鈴駒は叩きつけられた。

 

「なんて強さだ……」

 

鈴駒はフラフラながらなんとか起き上がる。

息が荒くなり、身体に受けているダメージはかなり大きい。

 

「ハァハァハァ……」


修羅は小馬鹿にした感じで鈴駒を心配する。

「大丈夫?かなりきつそうだよ」

 

「ま、まだだ……!!」

 

ズキューン

 

鈴駒は力を振り絞って修羅に向かっていった。

だが、もはやそのスピードにキレはない。

 

ビューン!

 

修羅の顔面を狙ってパンチを鈴駒は放つ。

 

パシッ

 

鈴駒のパンチを右手で軽く受け止める。 

 

(!?)

 

「魔円咬と僕の攻撃によるダメージで、スピードが随分と落ちてきているよ。別に落ちていなくても本気を出した僕なら攻撃を受け止めるのは簡単だ」 

 

「ぐ……」

 

「お互いが本気になって戦ってみたらの力の差が随分と出てきたようだね」


スッ

 

修羅は左手を鈴駒の顔に向けた。

 

「ハッ!」

 

ドーン!!!

 

修羅が放ったのは衝撃波だった。

 

「うわァァァー」

 

ヒューー

 

ドガッ!!!!!

 

まともに衝撃波を受けて岩壁に叩きつけられた。

 

「でも初戦から僕に防御壁を使わせたのは凄いと思うよ。パパの言う通りだ。舐めてかかれる相手ではなかった」 

 

鈴駒は立ち上がれない。

(強い……)

 

――選手たちの休憩所

 

酔、陣、凍矢は修羅の圧倒的な力を目の当たりしていた。

 

「修羅の奴、マジで強いぜ。鈴駒がやばい」

 

「さっきまでは修羅と互角に戦ってたのになー」

 

「修羅が防御壁を出していざ本気になると、実力の差が段々と表面化されてきたみたいだ」

 

スクリーンに倒れている鈴駒の姿が大きく映し出された。

酔は拳を強く握り締める。

「鈴駒、負けるな」

 

――Aブロック

 

フラフラながら、鈴駒は立ち上がった。

まだその目は勝負を諦めていない。

 

ザン

 

鈴駒はヨーヨーを使う態勢に入る。

 

(今までの肉弾戦で唯一分かったことは、防御壁は常時張られてはいないことだけ……。おいらの普通の攻撃では修羅に勝てない) 

 

「ヨーヨーをまた出したな」

首を左右に動かしながら余裕の顔。

 

「修羅!行くぞー」

 

ビュー

 

鈴駒は左手の四個のヨーヨーを修羅に向けて放った。


シュゴー!!

 

ヨーヨーは回転し始める。

 

「魔妖妖ォォォォ」

 

グォォォォォ!!

 

修羅に向かってヨーヨーが飛んでいく。

 

「くらえェェェ!!」


クイッ

 

鈴駒はヨーヨーと繋がる指で糸を操作し、四個のヨーヨーを別々の動きに変化させた。

 

グォォォォォ!!

 

ガガガ!!!

 

ヨーヨーの一つが真っ直ぐに動き、二つのヨーヨが上に高く上がって上空から下に向かって動く。そして最後の一つが地面を削りながら動いて、それぞれが修羅に向かって行った。

 

「ヨーヨーに色々と変化をつけてもパパ直伝の防御壁は最強だよ」

 

グォォォォォ!!

 

ガガガ!!!

 

修羅に鈴駒のヨーヨーが近づく。

 

クィ

 

鈴駒は指でヨーヨを操作し同時に攻撃させた。 

 

ピキーン

 

修羅は身体にヨーヨーが直撃する寸前に防御壁を張った。

 

ガッ!

 

鈴駒のヨーヨーは修羅の防御壁によって攻撃を遮られてしまった。

 

「くそォォ!!」

 

修羅は自分が弾いたヨーヨーを見た。

 

シュルルル

 

鈴駒は防御壁に弾かれたヨーヨーを手元に戻すべく糸を巻き始めた。

 

修羅、ニコリ。

「そうだ!面白いこと思いついた。お前のヨーヨーを破壊しちゃおうっと」

 

ズキューン!!

 

修羅は鈴駒の手元に戻ろうとするヨーヨーに高速で向かっていった。


「なっ!?」

 

修羅はまずは真っ直ぐに飛んで来たヨーヨーに追いつく。

 

「ヤァァァァ!!」

 

ビュッ!

 

素早く蹴りを放つ。

 

グシャッ!!

 

蹴りでヨーヨーは簡単に粉々に破壊された。

 

「お、おいらのヨーヨーが!?」

 

ズキューン!!!!!!!


修羅は一つ目のヨーヨーを破壊すると再び高速で動いた。

 

「これで二つ目だ」

 

ビューン!!

 

修羅は次に地上から攻めてきたヨーヨーに素早く一撃をくらわす。

 

グシャッ!!

 

パンチで簡単に粉々になるヨーヨー。

 

「ラスト」

 

バッ

 

修羅は素早くジャンプして最後の二つのヨーヨーの破壊に向かう。

 

「修羅、後ろががら空きだぞ」

 

ビュー

 

鈴駒は右手の四個のヨーヨーで一斉に空中の修羅を後ろから攻撃した。

 

シュゴー!!

 

鈴駒の右手から放たれた四個のヨーヨーが回転し始めた。

 

「えいっ!」

 

ビューン!!ビューン!!


修羅は空中で素早く連続パンチを放つ。

 

グシャッ!!

 

グシャッ!!


二つのヨーヨーは連続パンチで同時に粉々に砕け散った。

 

「よしっ!」

 

グォォォォォ!!

 

ヨーヨーを破壊した修羅に鈴駒の放った四個のヨーヨーが背後に迫る。

 

鈴駒の目つきが鋭くなる。

「もらったぞ」

 

(後ろからか)

 

修羅は素早く振り向く。

 

「いいタイミングだったけど甘いよ」

 

ピキーン

 

修羅は直撃寸前に防御壁を張った。

 

ガッ!

 

四個のヨーヨーは防御壁の前に弾かれてしまった。

 

「あのタイミングでも防御壁を張れるのかよ!?」 

 

鈴駒は修羅の防御壁の凄さに驚きを隠せなかった。

 

「ついでにこれも破壊しとくか」

 

「まずい!戻さないと」

 

シュルルル

 

鈴駒は焦りながら、急いで四個のヨーヨーの糸を巻いて戻そうとした。

 

「もう遅いよ」

 

ブーン!!

 

修羅は空中で身体を回転させて回し蹴りを放つ。

 

グシャァァァ!!!

 

一ヶ所に集中していたのが仇となり、四個のヨーヨーは回し蹴り一発で粉々になった。

 

シュタッ

 

修羅は地面に着地した。

 

修羅、ニコリ。

「これで破壊完了」

 

鈴駒は自慢のヨーヨーを破壊されて呆然としていた。

(防御壁がここまで凄いとは……。幽助は黄泉と戦った時にあの防御壁を前にしてどうやって攻撃していたんだ?)

 

――選手たちの休憩所

 

桑原がスクリーンに向かって声を上げた。

「おいおいおい!!鈴駒のヨーヨーが全て破壊されちまったぞ」

 

蔵馬の顔も険しい。

「まずいな……。あれでは鈴駒は手足をもがれたも同然」 

 

逆に幽助は修羅を感心していた。

「修羅の奴はもう完璧に防御壁を使いこなしているな。あれなら黄泉と変わらねーぞ」

 

蔵馬が頷く。

「ああ。修羅はあの防御壁を無詠唱で張ることが出来ている。今の鈴駒では修羅を倒す手だてがない」

 

桑原が不思議そうな顔で幽助に質問。

「浦飯、おめーは黄泉と戦った時はあの防御壁をどうしたんだ?なんか弱点でもあったのかよー」

 

「あれには弱点なんかねーぞ。物理的な攻撃はマジでうけつけねーから、あれは本当に最強だぜ」

 

「だったらおめーはどうやってあのずっと張られている防御壁を攻略して黄泉を攻撃していたんだ?」


「桑原、あの防御壁は比羅のフィールドのように常に張られているわけではないぜ」

 

「そうなのか?」

 

「ああ。あの防御壁は一回攻撃を防ぐ度に消えるからな。無詠唱だから見た感じ、常に張られているように見えるが」

 

「そうだったんか。俺には全く分からなかったぜ」

 

「簡単な話し、あいつが防御壁を張る前に攻撃をするか、防御壁が消えると同時のタイミングで次の攻撃を当てるしかない」


桑原の額から汗が落ちた。

「おいおい、簡単な話しって……」

 

幽助はスクリーンから視線を離さず答える。

「それしかあの防御壁は破れねーよ」

 

――Aブロック

 

(あ~、流石ちゃんを追いかけてないで幽助の試合をちゃんと見とけば良かった) 

 

今更後悔していても仕方ない。

このピンチの打開策を考えないといけない。

 

「こうなったらおいらの新技を見せてやる」

(修羅の通用するかわからないけどヨーヨーを壊されたこの状態で修羅を倒す方法はもうこれしかない)

 

「新技?」

 

鈴駒、ニコリ。

「ああ」

 

ズキューン!!

 

鈴駒は修羅に背中を向けると反対方向に向かって駆け出した。

 

「どこに行くんだ!?」

 

鈴駒が目指している場所、それは闘場内に設置されている森だった。

 

「あいつの新技って逃げる技なの?」

突然の鈴駒の行動に呆然としていた。

 

「あっ!?逃げるなー!!」

 

ズキューン!

 

修羅は我にかえると鈴駒の後を追いかけた。

 

鈴駒の新技とは一体?

対決はいよいよ最終局面を迎えようとしていた。


続く

 

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幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #078「魔円咬と魔妖妖(大会編)」

――魔界統一トーナメントBブロックの第八試合。

 

行脚(あんぎゃ)
×
飛影(ひえい)

 

小柄の一つ目妖怪・行脚と飛影の戦いが行われていた。

 

「ウォォォォ!!!」


行脚は拳を振りかぶって飛影に向かっていく。

飛影はその場から一歩も動かずに行脚を待ちかまえていた。

 

「くらえー」

 

ビューン!!!

 

行脚は飛影に強烈なパンチを放った。

 

ドガッ!!!!!

 

行脚の強烈な一撃が飛影にまともに直撃。


行脚、ニヤリ。

「やった!勝ったぞ」

 

自慢の攻撃が飛影にまともに直撃したことで行脚は勝利を確信した。

だが飛影の身体がゆらりゆらりと行脚の目の前から消えていく。

 

「な、何ィ!?」

一つ目を見開いて行脚は驚いた。

 

「残像だ」

 

飛影の声が行脚の背後から聞こえてくる。

 

(なっ!?)

 

ドスッ

 

行脚の背中から飛影が剣を突き刺した。

 

(!!!!!)

 

行脚は剣で身体を貫かれたことによる激しい痛みで顔が歪んだ。

 

「そんな馬鹿な!?」


ズボッ

 

飛影は行脚に突き刺していた剣を引き抜いた。 

 

「グァァ!!!」

 

ドサッ

 

行脚はその場にバタリと倒れた。

 

「うぐぐ……」

 

「相手が悪かったな」


ヒュッ

 

カチャッ

 

飛影は行脚から引き抜いた剣を一振りすると腰にぶら下げている鞘に剣を納めた。

 

「急所は外しておいた」

 

「ち、畜生ォォ・・・」

行脚は歯を食いしばって悔しがる。

飛影は上空の審判を見上げた。 

 

「Bブロックの第八試合、行脚選手対飛影選手の試合は飛影選手の勝利です!!」

 

――選手たちの休憩所

 

躯と奇淋が飛影の試合を見ていた。

 

「流石は飛影、勝負はあっという間でしたね。相変わらず恐ろしい男だ」

 

「お前と飛影は同一のブロックだ。勝ち進めばいずれぶつかることになるぞ」

 

「挑むところですよ。飛影を倒すのは私のこの大会の目的の一つですからね」

 

躯、ニヤリ。
「その顔だとかなりの自信があるようだが?」 


奇淋、ニコリ。

「もちろんです」

奇淋は自信に満ち溢れた声で躯に答えるとスクリーンに映る飛影の姿を再び見たのだった。

幽助たちも鈴駒と修羅の試合以外にもスクリーンに映る飛影の試合を注目して見ていた。

 

桑原が珍しく飛影に感心していた。

「なんか暗黒武術会で魔金太郎を倒した時と同じような勝ち方だな。でも魔金太郎と行脚って奴は、実際に桁違いに妖力に差があるってのに、同じ倒し方が出来るなんて飛影の奴はマジでスゲーぜ」

 

蔵馬は飛影の強さを推し量っていた。

(三年前に比べて相当強くなっている。あれなら雷禅の仲間たちと互角以上に戦えるかもしれない)

 

「おっ!鈴駒の奴、魔妖妖を出したみたいだぞ」

幽助の言葉に蔵馬と桑原はAブロックの鈴駒と修羅の試合を映しているスクリーンに視線を移した。

 

――Aブロック

 

Aブロックでは、いよいよ修羅と鈴駒が本気になろうとしていた。

 

「おいらの魔妖妖の力を見せてやるよ」

 

「ヨーヨーのような子供の玩具が僕に通用すると思ってんの?」

 

修羅は少し呆れた顔で鈴駒のヨーヨーを見ている。


「やってみないと分からないだろ」

 

「そんな玩具なんかいいよ!それよりも僕の技を先に見せてやるよ」

 

バッ!

 

修羅はその場から上に向かって高くジャンプ。

手の平を互いに向かい合わせ呪術の詠唱を始めた。

 

「*⊿#∠∑>/&」

 

ジジジ……

 

修羅が呪術を唱えると、向かい合わせた手の間に妖気の塊が出来てきた。

 

クルクルクル

 

そして修羅は身体に回転をかけ始める。

 

「くらえぇぇ!!魔円咬ォォォォ!!!」

 

ド!ド!ド!ド!ド!ド!


修羅は身体を回転させながら大量の放出系の妖気の弾を鈴駒に向けて一斉に放った。

これには鈴駒も驚く。

 

「げげっ!?妖気の弾かよー」

 

バシ!バシ!バシ!バシ!


鈴駒は修羅の放つ妖気の弾を両手で弾き飛ばしていく。

 

ドガーン!ドガーン!ドガーン!ドガーン!

 

弾かれた妖気の弾は方向を変えて地面に落ちて爆発した。

だが、次々と鈴駒に向かって妖気の弾が飛んで来る。

 

ド!ド!ド!ド!ド!ド!


「しつこいな」

 

バシ!バシ!バシ!バシ!


ドガーン!ドガーン!ドガーン!ドガーン!

 

しかし修羅は弾かれてもかまわずどんどん放出し続ける。

 

「うわわ!!数が多過ぎるぞ!」

 

流石に妖気の弾を弾ききれなくなった鈴駒は、妖気の弾を避ける為、駆け出した。

 

ドガーン!!!ドガーン!!!!

 

攻撃の外れた妖気の弾は地面に落ちて爆発していく。

 

「くそ~っ!修羅のように妖気の弾を飛ばすような技がおいらに使えればあれを相殺出来るのに」 

 

走っている鈴駒に弾が次々と飛んでくる。

 

「くそっ!」

 

ピタッ

 

鈴駒は走るのを止めた。 


バシッ

 

ヒュー

 

ドガーン!!

 

鈴駒は右手で修羅の妖気の弾を弾き飛ばした。

 

ド!ド!ド!ド!ド!ド!


だが、数十発の弾が直ぐに鈴駒に向かって飛んでくる。

 

(や、やばい!!)

 

グッ!

 

鈴駒は両手をクロスさせた。

 

ドガァァァァァァ!!!!

 

ついに魔円咬が鈴駒に直撃した。

 

修羅、ニコリ。

「まだまだいくよ」

 

クルクルクル

 

ド!ド!ド!ド!ド!ド!


修羅はさらに魔円咬を放出し続ける。

 

ドガーン!!!!!!

 

さらに数十発の弾が鈴駒に直撃したのだった。

直撃を確認すると、妖気の弾の放出を止めて、修羅は地面に着地した。 

 

「勝った」

修羅は笑顔で勝利のVサイン。

 

凄まじい爆発で鈴駒がいた場所は煙で視界が何も見えなくなっていた。

 

――メイン会場

 

小兎の解説にも熱が入る。

「修羅選手の魔円咬が鈴駒選手に直撃!!!これで勝負は決まったか!」

 

「鈴駒ちゃん……」

流石は手を組んで祈るようにスクリーンを見ている。

鈴駒なら大丈夫だと信じて。


――Aブロック

 

「誰が勝ったって?」

煙の向こうから鈴駒の声が聞こえて来た。

 

バッ

 

クルクルクル

 

シュタッ

 

鈴駒が煙の向こうからジャンプして修羅の目の前に現れた。


鈴駒、ニヤリ。

「これぐらいではおいらを倒せないよ」

 

勝ったと思っていた修羅は悔しくて頬を膨らませた。

「しぶといな~。でも今のは結構ダメージを受けたみたいだね」

 

鈴駒は防御して修羅の攻撃に耐えきったが、その身体には大きなダメージを負っていた。

 

「まだまださ!今度はおいらの番だ」

 

トン

 

ヒュー

 

鈴駒は軽く地面を蹴ると上に向かって高くジャンプをした。

 

「ショット!!」

 

ビューー

 

鈴駒の右手から四個のヨーヨーが修羅に向かって放たれる。

 

シュゴー!!!

 

放たれたヨーヨーは強い回転で回り始めた。

 

「そんな攻撃は僕には通用しないよ」

 

グォォォォォ!!!

 

鈴駒のヨーヨーが修羅に近づく。

 

バッ

 

修羅は鈴駒のヨーヨーをかわす為に後ろに飛ぶ。

 

グォォォォォ!!!

 

修羅にかわされたヨーヨーはそのまま地面に向かって飛んでいく。

 

ドゴーン!!!

 

鈴駒のヨーヨーが地面にめり込んだ。

 

シュタッ

 

修羅は地面に着地した。

 

「こんなものをかわすのは楽勝!楽勝!」

 

鈴駒のヨーヨーを軽くかわした修羅は余裕の笑みを浮かべた。

 

鈴駒、ニヤリ。

「そうか?」

 

ドガッ!!!

 

めり込んだヨーヨーが直ぐに地中から姿を現した。

四個のヨーヨーが再び修羅に向かって飛んでいく。

 

グォォォォォ!!!

 

「うわ~っ!ヨーヨーが僕にまた向かってきたぞ」

 

バッ

 

ヨーヨーをかわす為に修羅は再び後ろに向かってジャンプした。

修羅にかわされたヨーヨーの軌道は先ほどと同じように地面に向かって動いている。 

 

グォォォォォ!!!

 

「この魔妖妖はおいらの指で自由自在に操作出来るのさ」

 

クイッ

 

鈴駒はヨーヨーと糸で繋っている右手の指を軽く上に動かした。

 

グォォォォォ!!!

 

鈴駒の指の動きで軌道を大きく変えたヨーヨーは修羅を追撃。

 

「ヨーヨーの軌道が変わった!?」

 

グォォォォォ!!!

 

「くっ!」

 

ググッ

 

修羅は鈴駒のヨーヨーが身体に直撃する直前で身体を右に反らす。 

 

ガッ

 

鈴駒のヨーヨーが修羅の胸部を擦る。

 

「擦ったか……。危ないな。今のはちょっと焦ったよ」

 

グォォォォォ!!!

 

鈴駒のヨーヨーは上に向かって飛んでいく。

 

「よっと」

 

クルクルクル

 

鈴駒と距離を取る為に、修羅は身体を回転させて鈴駒と少し離れた場所に飛んだ。


「やるじゃないの。でも今のをかわしたとしても、おいらのヨーヨーからは逃げられやしないよ」

 

ビューー

 

鈴駒は今度は左手に持っていた四個のヨーヨーを放った。

 

シュゴー!!!

 

左手から放たれた四個のヨーヨーは高速回転でグルグル回り始めた。

 

「へへっ!犬の散歩だよ~ん」

 

ガガガ!!!

 

鈴駒のヨーヨーはもの凄い速さで地面を削りながら修羅の着地点に地面から向かっていく。

 

クルクルクル

 

シュタッ

 

修羅は鈴駒と少し離れた位置に着地した。

 

(!)

 

ガガガ!!

 

「何だァ!?地面からもヨーヨーがこっちに向かってくるぞ」

 

一連の修羅の動きは鈴駒の計算通りだった。

「そして仕上げはこれさ」

 

クイッ

 

鈴駒は右手の指を軽く下に向けた。

 

グォォォォォ!!!

 

鈴駒の右手から放っているヨーヨーの軌道を変えて、上空から地上にいる修羅をめがけて攻撃を開始させた。


「空と地上からの同時攻撃だ」

 

グォォォォォ!!!

 

ガガガ!!

 

空と地上から合計八個のヨーヨーが一斉に修羅に襲いかかった。

 

(!!)

 

ドガァァァァ!!!!!

 

「上手くいったぞ」

 

空中と地上の両方からヨーヨーが修羅に直撃をした。

完璧なタイミング。

これは老獪な鈴駒ならではの戦法だった。

だが、修羅の強さは鈴駒の予想を遥かに超えていた。


「どこが上手くいったんだよ、バーカ!」

 

ピキーン

 

「な、何だあれは!?」

 

修羅に防御壁が張られていた。

 

修羅、ニヤリ。

「魔古忌流煉破防御壁」

 

なんと修羅は父親である黄泉と同じ呪術を使い、物理攻撃を全て防ぐ無敵の防御壁を張っていたのだった。

 

――選手たちの休憩所

 

蔵馬と幽助が修羅の防御壁に驚いていた。

「あれは黄泉の防御壁!?」

 

「あいつも身につけていたのか」 

 

黄泉が幽助たちの所に歩いて来た。

 

「黄泉」

 

「浦飯、驚いたか?修羅には俺の持つ防御系の技を全て教え込んだ」

 

「ああ、防御壁にはかなり驚いたぜ。防御系の技を教え込んだってことはあの技も使えるってことだよな?」

 

「もちろんだ」

 

「ちぇっ、あの技が使えるのは俺には厄介だぜ」

幽助は苦笑いを浮かべた。


蔵馬の顔が険しくなる。

「まずいな……。修羅が防御壁を使えるとなると鈴駒はかなり厳しい戦いになるぞ」

 

幽助も同意する。

「ああ」

 

桑原はスクリーン前で鈴駒を応援していた。

かっては死闘を繰り広げた相手だ。

鈴駒に勝ってもらいたい。

 

「鈴駒、小僧に負けんじゃねーぞ」

 

――Aブロック

 

シュルルル

 

パシッ

 

八個のヨーヨーが鈴駒の手元に戻って来る。

 

「パパから直伝のこの防御壁は物理的な攻撃を全て防ぐんだ」

 

(まいったな……。反則だよ、あれは。あの防御壁をどうするか)

 

「僕が防御壁を使い出したらお前の攻撃は一切通用しないよ。でも逆に僕にこれを使わせただけでも凄いよ」

 

鈴駒の額から汗が滲み出てくる。

(考えろ。あの防御壁にも必ず何か弱点があるはずだ。今はあいつを攻撃して弱点を探すしかないか)

 

鈴駒は活路を見い出す為に修羅に向かって駆け出した。

 

続く

 

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駒形(こまがた)

駒形(こまがた)

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~オリジナルキャラクター。

A級妖怪。

美しい容姿した女性の妖怪。
着物をイメージした武闘着を着ている。

鈴木の魔界統一トーナメントの一回戦の対戦相手。

その仕草からなんと鈴木が一目惚れ。

その為に力を出せない鈴木は多いに苦戦。

大好きな鈴木の審判を務めた樹里がやきもちを焼く場面も。

ナルシストである鈴木が一目惚れするほど美しい容姿の駒形であるが、
彼女にはある大きな秘密が隠されていた……。

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #077「修羅vs鈴駒(大会編)」

――魔界統一トーナメント一回戦のAブロックの第七試合目が間もなく始まろうとしていた。

Aブロックの第七試合には、鈴駒と修羅が登場。

幽助たちにとっては注目の一戦となる。

 

――選手達の休憩所

 

「Aブロックの六試合目が終わったみたいだ。もうすぐおいらの出番だな」

 

鈴駒は休憩所の壁際に背中をつけて座り込み、スクリーンに映る対戦表を見ている。

画面の表示が切り替わり、対戦表には修羅と鈴駒の名前が表示された。

いよいよ、あの修羅と対決する時が来た。

鈴駒の側には、ハッパをかけに来た酔がいる。

 

「初戦がいきなり黄泉の息子とはな。今回はいきなりの強敵だ。鈴駒、負けんなよ!」

 

鈴駒、ニコリ。

「もちろん!勝ちにいくよ」

 

「しかし大変な相手だが、今回は鈴駒の力を存分に出せそうな相手だ。前の大会では流石に骨抜きにされちまって、全く力を出せずに負けちまったからな。あれは本当に見ていて本当に情けなかった」

やれやれと溜息をつく。

 

思わず酔にツッコム鈴駒。

「情けなくて悪かったな!負けて早々に自分を負かした女を口説く奴に言われたくないわい」 

 

「なんだとー!」

 

「なんだよー!」

 

お互いにムキになって顔を近づけて、目から火花を飛び散らす。

六遊怪チーム時代からの恒例のやり取りだ。

その酔と鈴駒のやり取りを遠くで、黄泉と修羅が様子を見ている。

 

「修羅よ、鈴駒の事はもちろん知っているな?蔵馬が以前、俺の所に連れて来た者だ」

 

「うん、大丈夫だよパパ。分かっているよ」

 

「総合力ではお前の方が上だろうが、決して舐めてかかれる相手ではない。心してかかれ」

 

修羅、ニコリ。

「大丈夫だよ。へへっ!いきなり歯応えのある奴と戦えるなんて嬉しいな」


会場からアナウンスが流れる。

 

「鈴駒選手と修羅選手は試合を始めますのでAブロックの闘場に急いでください」

 

「観客席で見ている流石ちゃんにいいとこ見せてやるか」

両手の拳をぶつけて気合いを入れた。

ゆっくりと休憩所から闘場に繋がる階段を上がっていく。

 

「パパ、行ってくるよ!」

 

父親に手を振ると階段をかけ登って行った。

 

黄泉、ニコリ。

「修羅よ、修行の成果を見させてもらうぞ」

 

鈴駒と修羅は共にAブロックの闘場に向かった。

幽助たちは闘場に向かう鈴駒と修羅の後ろ姿を見ていた。

 

桑原が隣にいる幽助に声をかけた。

「なあ、浦飯、鈴駒の奴はあの生意気な小僧とやるのかよ」

 

頷く幽助。

「ああ。あの二人だと面白い対決が見れそうだぜ」

 

蔵馬も隣にいる飛影に声をかけた。

「飛影はどちらが勝つと思います?」

 

「さあな」

 

飛影は蔵馬に背を向けると休憩所から闘場に繋がる階段に向かう。

 

「飛影は今から試合ですか?」

 

「ああ、退屈な相手だがな。さっさと終わらせてくる。強い野郎と早くやりたいとこだ」

 

蔵馬、ニコリ。

「焦らなくても飛影は二回戦で退屈ではない最強クラスの相手と戦えますよ」

 

「最強クラスが相手か。それはお互い様だ。お前も二回戦の相手が雷禅の仲間だろう?」

 

「まあね」

 

「俺にとっては雷禅の仲間がどうとか関係ない。俺が優勝するまでの道のりにいる只の通過点にしか過ぎないぜ」

飛影はそう言うとBブロックの闘場に向かった。

 

「飛影は相変わらずだな。お前がこの三年の間にどれほど強くなっているのか楽しみだ」

 

――メイン会場

 

スクリーンには鈴駒と修羅の姿が映し出されていた。

鈴駒の彼女の流石は観客席で鈴駒の応援。

 

「鈴駒ちゃんがいよいよ登場ね。あたしは今回は大会に出ていないからしっかりと応援しないとね」

 

小兎がマイクを握ると解説を始めた。

「Aブロックの七試合目には、あの黄泉選手の息子である修羅選手の登場です。前の大会では予選で、父親である黄泉選手と同一ブロックで当たるという大波乱があり、予選で敗退してしまいましたが、今回は初の本選出場でどのような戦いを見せてくれるか非常に楽しみです」

 

あの“ 黄泉の息子”というフレーズは観客たちをざわつかせた。

 

「黄泉の息子か!一体どんな技で相手を倒すのだろうな」

 

「修羅の対戦相手の鈴駒って奴は、前の大会で確か女の妖怪にボコボコにされた奴だ。修羅相手だとあっけなくやられてつまんねー試合になるかもしれないぜ」

 

観客たちの間では、修羅の圧勝というのが前評判なのである……。

それは前の大会で鈴駒は、流石の色香であっけなく敗れているせいなのだが、果たして今回の試合の結果は一体どうなるのか?

 

――Aブロック

 

上空から審判が修羅と鈴駒の様子を見ている。

「それではAブロックの第七試合、修羅選手対鈴駒選手の試合を始めます」


鈴駒と修羅が対峙している。 

 

「おいっ!僕は手加減なんかしないからな。降参するなら今のうちだぞ」

 

「まだまだチビッ子のくせにけっこう生意気な奴だな」

 

チビッ子という言葉に修羅がピクッと反応した。

「チビッ子!?そういうお前もチビッ子じゃあないか!」


鈴駒、ドヤ顔でニヤリ。

「おいらの方が修羅よりずっと年上だ」

 

修羅は鈴駒のドヤ顔に腹を立ててムキになる。

「年上だからってえばっていても僕とあまり見た目が変わらないぞ。このチビ!チビ!」

 

修羅の悪口に鈴駒はムカムカしてきた。

「口の減らない本当に生意気な奴だ!おいらが試合に勝ってそんな口をきかせないようにしてやる」

 

審判は鈴駒と修羅のやり取りを見て、さっさと試合を始めた方がよさそうと判断。 

 

「始め!」

 

審判の試合開始の合図の声が闘場に響き渡る。

修羅は試合開始の合図と同時に構えた。

「さあ、行くぞ」

 

ズキューン!!!

 

高速で一気に鈴駒に向かっていった。

鈴駒はいきなり動いた修羅に驚いた。

「いきなり!?」

 

修羅が攻撃を仕掛ける。

「ハッ!」

 

ビューン!!

 

鈴駒の顔面を狙ったパンチ。

 

バキッ!!

 

「くっ!」

 

ズズズ……

 

修羅の試合開始早々の先制パンチを顔面にくらい後ずさる。

 

「へへっ!試合開始と同時にいきなりとは驚いた。チビッ子のくせに凄く重いパンチだ」

 

鈴駒は笑みを浮かべると口元の血を手で拭う。

修羅はまたチビッ子という言葉に憤慨。

 

「またチビッ子って言ったな!」

 

修羅は地面を蹴ると鈴駒に次の攻撃を仕掛けた。

 

「オリャァァァァ!!」

 

ビュッ!

 

今度は素早い蹴りで攻撃。

 

鈴駒、ニヤリ。

 

トン

 

ピョーン!!

 

鈴駒は地面を軽く蹴ると身軽な身体を宙に浮かせて修羅の蹴りをかわした。

修羅の蹴りが空を切る。 

鈴駒は空中で修羅を小馬鹿にした。

「残念でした」

 

クルクルクル!!!!

 

鈴駒はその小さな身体を空中で急回転させて修羅に向かって体当たりする。


ドガッ!!

 

「うっ!」

 

ドタッ

 

強烈な体当たりが修羅の小さな身体にぶつかった。

修羅はその場に尻餅をつく。

 

「痛てて……」

 

クルクルクル

 

シュタッ

 

鈴駒は修羅から少し間合いを取って、離れた位置に着地をした。

修羅は直ぐに立ち上がると首を左右に動かした。 

 

「今のは結構痛かったぞ。僕の先制攻撃に対するお返しってわけだな」


鈴駒、ニヤリ。

「そういうこと。さてと力比べといきますかね」

 

修羅も鈴駒につられて、ニコリ。
「挑むところだよ」

 

ズキューン!!

 

修羅は高速で先制攻撃の時と同様に鈴駒に向かって駆け出した。

 

鈴駒の目が真剣になる。

「まずは肉弾戦でどちらが強いか勝負だ!」

 

ズキューン!

 

鈴駒も修羅に向かって駆け出した。

 

「ハァァァ!!!!」

両者は同時に声を上げた。

 

ビューン!!!

 

そして同時にパンチを繰り出す二人。

 

バキィィィ!!!!

 

「うっ!!」

 

互いの頬にそれぞれの拳がヒット。

 

バッ!

 

シュタッ!

 

互いに距離を置いて着地する二人。

 

「ウォォォォ!!!!」

 

ズキューーン!

 

再び鈴駒と修羅がぶつかる。

 

ドガーン!!!

 

――選手たちの休憩所

 

幽助たちが見ているスクリーンには鈴駒と修羅が凄まじい肉弾戦を繰り広げている光景が鮮明に映し出されていた。

 

桑原、腕を組んで感心。

「あいつら試合開始早々に激しい肉弾戦を繰り広げてやがるぜ」

 

幽助は両者の動きをチェックしながら見ている。

「今の所は両方とも力の探り合いって感じだ」

 

「本当の勝負はお互いがそれぞれの持ち技を使った戦いに移行してからになりそうだ」

蔵馬は両者の肉弾戦は長く続かないと見ていた。


――メイン会場

 

小兎は両者の戦いに興奮していた。

「あ~っと!これは凄いです。修羅選手と鈴駒選手が激しい肉弾戦による攻防を繰り広げています!!」

 

鈴駒の戦いぶりに観客たちはざわつきだした。

「あの鈴駒って野郎、中々やるぜ」

 

「ああ。あの黄泉の息子と互角にやりやっているぞ」


「鈴駒はあんなにすげーのに、何で前の大会で女の子妖怪に簡単に負けやがったんだ?」

 

「不思議だ……」

 

流石はスクリーンに映る彼氏を必死に応援していた。

「鈴駒ちゃん頑張れ~~!!!」

 

――Aブロック

 

「くらえー!!」

 

ビューン!!

 

鈴駒は強烈なパンチを放つ。

 

「甘いよ!!」

 

フッ

 

(!)

 

修羅は鈴駒の攻撃を瞬間的に姿を消してかわす。

空を切る鈴駒のパンチ。

 

フッ

 

修羅は鈴駒の背後に姿を現した。

 

「おいらの後ろか!?」

 

咄嗟に後ろを振り向く。

 

「そういうこと」

 

ビュッ!!!

 

修羅は素早く鈴駒に強烈な蹴りを放った。

 

バキッ!!

 

「うわっ!」

 

ヒュー!!

 

ドガァァァァァ!!

 

鈴駒は修羅の蹴りを顔面にくらって近くの岩壁に叩き込まれる。

 

「やるな!」

 

ズガァァァァ!!

 

鈴駒は岩壁から空高く飛び出した。

 

ボォォォォ!!!

 

修羅は両手に妖気を集中。

妖気の炎が両手に宿る。

 

ズキューン!!

 

岩壁から飛び出した空中の鈴駒に向かって高速で駆け出して、そこから高くジャンプした。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュ!!!

 

修羅は妖気の炎を宿した両手で鈴駒を空中で連打し続ける。

 

「くっ!!」

 

鈴駒は修羅の連打攻撃を両手で素早く防御しながら受け止める。

両者は空中から地上に降下しながら攻防を繰り広げていた。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!

 

修羅は攻撃の手を休めることなくさらに激しい連打攻撃を続けた。

 

(激しいな!!)

 

鈴駒はどんどん激しくなってくる修羅の連打攻撃を辛うじて防御しているが、徐々にさばききれなくなっていた。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!

 

(むっ……)

 

修羅の拳が鈴駒の頬を擦り、頬の皮が裂けて血がしたたる。

 

「でゃぁぁぁ!!!」


(!!)

 

ガガガ!!!!!!!

 

「うっ!」

 

修羅の激しい連打攻撃が、鈴駒の防御スピードをついに上回り、鈴駒の胸部に激しい連打を叩き込んだ。

 

「うわぁぁぁぁ!!」


ヒュー!!

 

ドガァァァ!!!!

 

空中から地上に鈴駒は叩きつけられた。

修羅はゆっくりと地面に着地した。

鈴駒は地面に倒れたまま全く動かない。

 

――メイン会場

 

観客たちが静まりかえる。

「これで勝負あったか?」

 

倒れている鈴駒を見て流石が叫んだ。
「鈴駒ちゃん!!!」


「修羅選手の凄まじい連打が鈴駒選手に直撃!!地面に叩きつけられました!!」

 

――Aブロック

 

修羅、ニコリ。

「もう!さっさと起きてよ!!その程度の攻撃で倒されるような奴じゃあないだろ?」

 

「まあね」

鈴駒は何事もなかったように立ち上げる。

 

「でも今の一撃は痛かったよ」

 

「へへっ!お互いのウォーミングアップはこんなもんかな」

 

「お互いの得意技でそろそろやりあうか」

鈴駒は両手を広げて両手の指の間に挟んだ八個のヨーヨーを修羅に見せつける。


「おいらの魔妖妖を見せてやる」 

 

「獲物を出してきたな。僕もそろそろ本気で行くよ」

 

鈴駒と修羅がそれぞれが本気になったことで、試合はこれからさらに激しさを増した戦いに突入していくことになる。

 

続く

 

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牛頭(ごず)

牛頭(ごず)

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~オリジナルキャラクター。

名前のみ原作に登場。

A級妖怪。


牛の顔をした2mを越す巨体の妖怪。

鍛え上げられた筋肉で非常にパワーに優れている。

第二回魔界統一トーナメントでの桑原の一回戦の相手である。

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ 076「ナルシストの恋(大会編)」

――魔界統一トーナメントDブロックでは四試合目が始まろうとしていた。

 

鈴木(すずき)
×
駒形(こまがた)

 

上空から審判が両者を見つめる。

この試合の審判はあの樹里である。 

 

樹里、鈴木の顔を見ながらニコリ。

(フフッ、鈴木の試合だから無理言って変わってもらっちゃった)

 

鈴木は目の前にいる駒形を見た。

 

(女か……戦いにくいな)

 

――メイン会場

 

小兎が解説。

「鈴木選手と駒形選手は共に非常に容姿に優れております。美しい二人による華麗な戦いに期待が持てます」

 

小兎はスクリーンに映る鈴木の姿を羨ましそうに見る。

 

(樹里さんは鈴木の試合の審判が出来ていいな~。あ~あ、私も凍矢の試合の審判がしたい) 


――Dブロック

 

「それではDブロックの一回戦・第四試合を始めます」

 

駒形が鈴木に話しかけた。

「鈴木さんでしたね。お手柔らかにお願いしますわね」

 

そう言うと駒形は手を差し出す。

 

「あ、ああ、こちらこそ」

駒形と握手する鈴木。

鈴木は駒形の柔らかい口調に少しドキドキしていた。

 

(うん?なんだこの感覚)

 

鈴木と駒形のやり取りを樹里は見ていた。

(あの鈴木の顔!!なんなのあの女!!)

 

駒形、ニコリ。

「綺麗な手をしていますね」

 

「い、いや……そんな事はないぞ……」

鈴木は駒形の笑みで頬を赤く染めていた。

 

樹里の背中から黒い妖気が漂う。

「も~っ!!始めなさい!!!」

(あたしあの女、嫌いだわ)


嫉妬で怒号気味の樹里の試合開始の合図の声が響き渡る。

実はこの時、樹里は大きなミスを侵していた

 

「鈴木さん、行きますわよ」

 

駒形は構えると鈴木に向かって一気に駆け出した。

そして鈴木に接近。

 

「ヤァァァ!!」

 

ブーン!!

 

駒形は鈴木に向かって回し蹴りを放つ。

 

ガシッ!

 

鈴木は右腕で駒形の蹴りを受け止めた。

蹴りを受けた右腕がジンジンする。

 

(おおっ!?意外と蹴りに威力があるな。腕が少し痺れたぜ) 

 

駒形、ニコリ。
「どんどん行きますわよ」

 

鈴木は胸を手で押さえる。

(まただ!?あの笑顔を見たら何故か変な気持になるぜ)

 

考え事に夢中で集中力が途切れた鈴木は、試合開始早々に駒形の攻撃を受ける事になる。

 

ビューン!!

 

「しまった!」

 

駒形は鈴木の腹部を狙ってパンチ。

 

ドゴッ!!

 

腹部に駒形の攻撃がヒット。

 

ビリビリ

 

鈴木は強い衝撃を受けて、お腹を押さえてしゃがむ。

 

(かなり効いた……)

 

「私に手加減などはしないでくださいね」

 

駒形は鈴木に可愛いらしいウインクをした。

この行為は鈴木のハートをバキューンっと撃ち抜いた。

 

「あ、あ……」

(本当になんなんだこの感覚は??)

 

頬が真っ赤になり身体が熱くなるという体験をするのは、これまでナルシストであった鈴木にとっては、まさに初めての体験である。

その後、鈴木は圧倒的に力の劣る駒形の連続攻撃に苦戦を強いられた。

それは駒形の仕草や笑顔に目を奪われてしまった為である。

 

バキッ!

 

駒形の強烈なストレートが鈴木の顔面にヒット。

 

ザザザ……

 

顔面に一撃をくらって後ろに後ずさる鈴木。

 

(まさかこの感覚が恋というものなのか!?)

 

何かを悟った鈴木は鼻血を垂らしながら笑みを浮かべていた。

 

――選手たちの休憩所

 

鈴駒、陣、死々若丸が休憩所にやってきた。

鈴木の試合観戦である

 

「あれれ、鈴木の奴が苦戦をしてるぞ」

意外な展開に鈴駒はびっくり。

 

「しかもなんか顔が笑ってるみたいだな」

陣はやられているというのに何で笑っているのだろうと不思議そうな顔をした。

 

死々若丸は、鈴木の異変に気付く。

「あんな相手に苦戦とはいつもの鈴木ではない。一体どうしたんだ?」

 

凍矢が後ろからやって来た。

「あれは色香だ」

 

「へっ?」

気の抜けた声を出す陣。

凍矢は呆れた顔でスクリーンの鈴木を見ている。

 

「そういえばなんか今の鈴木の状況と似たような試合を前にどっかで見たような気がするんだよな~」

陣は腕を組んで考え始めた。

 

死々若丸は早速それが何か思い出したようだ。

「凍矢の言う同じ色香で前の大会で敗れた奴がいたぞ」 

 

頷く凍矢。

「いたな」

 

陣が声を上げた。

「あっ!思い出した!!鈴駒の試合だ」

 

ギクリと身体が固まる鈴駒。

「お、おいらかい!?」

 

死々若丸と凍矢は頷く。

 

陣、ニコリ。

「鈴駒は流石ちゃんにメロメロになってなすすべもなく負けたんだもんな」

 

「あ、あははは……」

(おいらってあんな感じで流石ちゃんと戦ってたのか)

 

死々若丸は腕を組んで考える。

「しかし暗黒武術会以後は大人しくなっていたとはいえ、あのナルシストの鈴木が女に惚れるとは……。これはある意味革命的なことだぞ」

 

「だな。あの鈴木も自分大好き妖怪から卒業していよいよ春が来たんだな~」


「酎に鈴駒にそれに鈴木まで俺たちのまわりは何で女に弱い者ばかりなんだ」


そして凍矢たちとは別の位置で壁に背中を持たれて鈴木の試合を見ている者がいた。

棗である。

 

「鈴木って酎の仲間だったわよね。やっぱり普通は中々気付かないわよね」

冷めた目でスクリーンに映る駒形を見ている。

 

「お~い!棗さ~ん」

 

Cブロックの第三試合を終えた酎が棗の所にやって来た。

 

「お疲れ。試合は見ていたわよ」

 

「あれっ?九浄は一緒じゃないのか?」

 

「九浄なら試合が終わるなり、才蔵の所に行ったわよ」

 

「そっか」

少し苦手な九浄がいない事に酔はホッとした。

 

「それより酎、貴方の仲間の鈴木が苦戦しているわよ。鈴木と駒形の力の差がかなりあったとしても、鈴木はあの状態では負けるわよ」

 

「なぬー!」

 

酎がスクリーンを見ると鈴木がボコボコにやられている姿が映し出されていた。


「なんだこりゃー!?鈴木が綺麗な姉ちゃんにボコボコにされとるではないか!」

 

棗、呆れ顔。

「綺麗な姉ちゃんね~。彼はどうやらあの駒形って子に恋をしたみたいね」

 

「おいおい……」

 

「彼があの事に気が付いたら直ぐに勝負がつくのだろうけど。でも知らない方が彼は幸せかも」

意味深な事を言う棗。

 

「ああっ?棗さんどういうことだ?」

 

「試合前にあの駒形って子を見かけた時に、私はすぐに気付いたんだけど……。あの子は実は……」

 

棗は酎に駒形について話した。

 

「何だってぇぇぇ!!」

酎の絶叫が響き渡った。

 

――Dブロック

 

攻撃を受け続けながら鈴木はついに確信した。

(俺は間違いなく駒形に恋をしている)

 

上空で樹里が恐い顔で鈴木の試合を見ていた。


(もーっ!!何で鈴木はあんな女にデレデレしてるの。しかもボコボコにされてるし) 

 

樹里はポケットから選手のプロフィールと個人情報が載った資料を取り出した。

そして駒形の情報を探して資料をパラパラパラとめくる。

 

(あ、あったわ。全く駒形って女は何者よー)

 

樹里は資料で駒形のプロフィールの情報を見て驚愕した。

 

「えーーーー!!」

 

――メイン会場

 

「なんだ?Dブロックから凄い声が聞こえてきたぞ」 

 

樹里は口元に付けているマイクのスイッチ切り忘れていたのだった。

 

――Dブロック

 

「嘘ォォォ!!駒形ってオカマなのォォォ!!!!」

 

樹里の声がメイン会場と各ブロック全体に響き渡る。


――メイン会場

 

観客席がざわつく。

「おい!駒形ってオカマだとよ」

 

「嘘だろー!俺は女だと思っていた」

 

小兎は大慌て。

「樹里さん!樹里さん!マイクのスイッチが入ってますよー!!!」

 

――Dブロック

 

樹里の耳に小兎の声が届いた。

 

「え、えー!!!?」

樹里はマイクの切り忘れにここでようやく気付いた。

 

「あ~しまった!?マイクのスイッチが入ったままだ!!?し、失礼しましたァァァァ!!」

 

樹里は慌ててマイクのスイッチを切った。

(や、やばー!!やらかした!!!)

 

一方、鈴木と駒形はというと。

 

「オカマとは失礼ですわね!心は女ですわよ」

 

(………………)

鈴木はうつ向いて黙り込んでいる。

 

「鈴木さんどうしたんですの?」 

 

ゴゴゴゴ……

 

鈴木の背中から妖気とは別の異様な気が溢れ出している。

鈴木は顔を上げると両目から大粒の涙を流していた。


「うん??」

駒形の笑顔が凍る。

鈴木の額には青筋が浮かんでいた。

「初めて自分以外の存在を好きになったのに……。それがまさかオカマだったとは……」

 

――選手たちの休憩所

 

スクリーンに映る鈴木のアップ顔。

 

「鈴木の奴、なんか泣いているようだぞ」

 

「初めて自分以外を好きになった相手が男だったもんな~」

 

「不憫だ」

 

「おいらは流石ちゃんを好きになってよかった」


酎はスクリーンの駒形を見て信じられないって顔をしている。

ドヤ顔の棗。

「ねっ!私の言った通りでしょう?」

 

「マジかよー。本当に棗さんの言う通り駒形が男だったとは……。お、恐ろしいぜ……」

 

棗、溜息をつく。

「鈴木は恋と失恋を同時に知ってしまったわね」

 

酎は胸を撫で下ろした。

「俺は棗さんを好きになっていて良かった」

 

――Dブロック

 

「鈴木さん、貴方までオカマだなんて失礼ですわよ。私の心はれっきとした女ですわ」

 

「ウォォォォ!!」 


ビューン!!!

 

「へっ?」

 

バゴーン!!

 

大粒の涙を流しながら、鈴木は駒形の頬を強烈なパンチで殴りつけた。

殴られた衝撃で駒形の小さな身体は吹っ飛ぶ。

 

「女の子の可愛い顔をグーで殴るなんて酷いですわ」

駒形は目に涙を溜めて鈴木に文句を言う。

 

「あっ?」

 

プチン

 

ゴゴゴゴ……

 

「女の子だとー!!誰が女の顔だコラァァ!!これは試合だ!シバキ倒すぞ!!」

 

――選手たちの休憩所

 

陣、苦笑い。

「なあ凍矢、鈴木の性格がなんか変わってないか?」

 

凍矢の目から大粒の涙。

「言うな陣、鈴木の心の叫びがここまで聞こえてくる」

 

――Dブロック

 

「一つ聞くが、お前は最初からそんな女性らしい顔立ちだったのか?」

 

「違いますわよ。これは50年前に美容整形してこうなりましたの」

 

鈴木、ニヤリ。

「なるほど。50年前にね~」

 

鈴木は腰にぶら下げている道具袋の中から、小さな袋を取り出しその中身を手に取った。

 

「オカマ野郎、覚悟しろ!」

 

フッ

 

鈴木の姿が駒形の目の前から消え去る。

 

「き、消えた」

 

フッ

 

そして駒形の目の前に姿を現す鈴木。

 

シュッ

 

カパッ

 

「あがが……」

 

左手で駒形の頬を押さえて無理矢理口を開かせた。 


鈴木、ニヤリ。

「これは俺からの愛のプレゼントだ」

 

駒形の口の中に5個の丸く小さな錠剤を放り込む。

 

ビューン

 

ドゴッ!

 

鈴木は軽く駒形の腹を殴る。

 

「う……」

 

駒形は鈴木が口に投げ入れた錠剤を殴られた衝撃で、ゴクンと飲み込んでしまった。

思わず手で口を押える。

 

「す、鈴木さん……。私に一体何を飲ましたのですの?」


「お前が飲み込んだ物は、俺が前世の実を使って作り上げた錠剤だ。一錠で10年分の時を戻す」

 

「えっ!?」

 

「お前は何粒の錠剤を飲み込んだかわかるか?5粒だ。つまり50年分の時を戻す」

 

鈴木の言葉に顔が青くなった。

「50年分ということは私が美容整形をする前!?」

 

鈴木、ニヤリ。

「そういうことだ」

 

シュゥゥゥゥ……

 

駒形の身体から白い煙のような物が出てきた。

 

「いゃぁぁぁ!!!」


ドローン!!!

 

駒形の姿が50年前の姿に変貌を遂げた。

そこには筋肉質の暑苦しいヒゲ面の男の姿が現れた。


「うわぁ!!50年前の私の姿に戻ってる!?」

 

ゴゴゴゴ……

 

「お、俺はこんな男にこ、恋をしてしまっていたんだな……」

 

鈴木は再び大粒の涙を流す。

鈴木の右腕が輝き始めた。

そして鈴木は駆け出した。

 

「これが初めて自分以外を好きになり、そして直ぐに失恋した男の純愛パンチだァァァ!!」

 

ビューン!!

 

鈴木の涙の純愛パンチが駒形に向かって放たれた。

 

「ああっ!!」

駒形は恐怖で叫ぶ。

 

ドゴーン!!

 

鈴木のパンチが駒形の顔面にクリーンヒット。

 

ピューー

 

駒形の身体は場外に飛んでいく。

 

ピカー!!

 

鈴木の一撃で駒形は遥か彼方で星となり消え去った。

鈴木が両手を挙げると雄叫びを上げた。


「ウォォォ!!オカマなんか嫌いだァァ!!!」


――選手たちの休憩所

 

酎と鈴駒はスクリーンに映る鈴木の泣き顔を見て、

涙を流していた。

それは別の意味で。

(オカマを好きにならなくて良かった……)

 

死々若丸は鈴木を哀れむ。

「やっぱり不憫だ……」

 

――Dブロック

 

「俺が優勝したらオカマ禁止の法律を作ってやる!!」

 

鈴木はもう一度両手を挙げて雄叫びを上げた。

そこには優勝を心に深く誓った男の顔があった。

 

樹里は安心した顔で鈴木を見ている。

(ホッ、駒形が男でなんか安心したわ)

 

鈴木の恋と失恋という大波乱を挟み、大会はどんどん進行していく。

そしてAブロックの七試合目が間もなく始まる。 

 

修羅
×
鈴駒

 

続く

 

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