nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #085「決着!幽助vs陣(大会編)」

――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合

 

浦飯(うらめし)
×
陣 (じん) 

 

――Aブロック

 

ギュウウウウウ

 

陣は上空に向かって飛んで行った。

 

――Aブロックの上空

 

上空にやって来ると、陣は地上を見下ろした。

強い魔界の風が吹き荒れる上空はやはり心地良い。

 

「行くだぞー」

 

ググッ

 

グルグルグル

 

両腕を抱え込み、身体を回転し始めた。

 

ゴゴゴ!!!

 

竜巻が陣の全身を包み込む。

 

「おっし!」

 

グルグルグルグルグル!!!

 

さらに身体の回転を早める。

 

ゴゴゴゴゴゴ!!!!!!


身体を包み込む竜巻は先程よりも数倍の大きさになっていた。

 

「修羅突風撃!!!!」


ギュウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!

 

陣は地上の幽助に向かって突撃していく。

 

――Aブロックの地上

 

上空を見上げて陣の姿を見た。

 

「陣、行くぞ」

 

スッ

 

魔光丸を放つ構えを作る。 

 

「これが俺の全力の魔光丸だ!!!!」 


キュンンンンンンン

 

指先に魔光気が集まる。

 

「くらいやがれェェェェェェ!!!!」

 

ズドオォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!

 

幽助の指先から超特大の魔光丸が放たれた。

 

――Aブロックの上空

 

グォォォォォォォォォ!!!!!!!

 

妖気ではなく魔光気を指先に溜めて放つ魔光丸は、通常の妖丸の数倍の大きさになっていた。 


「ス、スゲーーぞ!!これが全力の幽助の妖丸(魔光丸)」

 

魔光丸のあまりの大きさに驚く陣。

だがその顔は笑顔で嬉しそう。


「ホントにスゲーけど、俺の竜巻から吹き出す風も負けねーぞ!!」

 

ビュォォォォォォォォォォォ!!!!!!

 

陣を包み込んだ竜巻が魔光丸に向かっていく。


「おめーの全力の妖丸(魔光丸)はこの俺が撥ね返してやるぞォォォォ!!!!!」

 

幽助と陣のそれぞれが持つ最強の技が全力でぶつかる。

 

――選手たちの休憩所

 

凍矢が叫ぶ。

「陣!!」

 

鈴駒はスクリーンに映し出された映像に興奮している。

「さっきまでの突風撃よりもっと凄いよ!」

 

鈴木も鈴駒と同様だ。

「幽助の妖丸(魔光丸)もさっきまで撃っていたものと比べられないほどのでかさだ!!」 

 

桑原は幽助の魔光丸の巨大さに目を丸くしていた。

「あれが浦飯の全力の妖丸(魔光丸)かよ!」 

 

蔵馬の映像を見る目が鋭くなる。

「これでいよいよ決着がつくかもしれないぞ」

 

――メイン会場

 

小兎もびっくりして額から汗が流れ落ちる。

「こ、これは凄い!!!浦飯選手の妖丸(魔光丸)がもの凄い大きさです!!対する陣選手を包み込んでいる竜巻もさっきまでよりももっと巨大です!!審判の天海さん!!危険ですので急いで避難してください!」

 

北神も幽助たちの想像以上の力に唖然としていた。

「陣も凄いがそれ以上に幽助さんの力がこれほどまでとは……」

 

――Aブロックの上空

 

上空で戦いを見守る審判の天海には、危険なので直ちに避難するように指示が入った。

「に、逃げまーす」

 

ピューー

 

天海は慌てて地上へ逃げていった。

 

そしてお互いの力がぶつかる時がきた。

まさに最後の勝負。


ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!

 

竜巻から吹き出す突風が魔光丸にぶつかる。

 

グォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

ズズズ!!

 

(!?)

 

陣の身体が魔光丸の威力によって押し戻される。

 

グォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

魔光丸の凄まじい威力は陣の全てを吹き飛ばそうとしていた。

 

「ウォォォォォ!!!!!!!!!」

(負けねー!!負けねーぞ幽助!!)

 

ビュォォォォォォォォォ!!!!!!!

 

どんどん威力を増していく風。

 

陣はその持てる全ての妖力を出しきって魔光丸にぶつかっていた。

 

「俺は負けねーぞォォォォォォ!!!」

 

ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!

 

そしてついに陣は己の限界を超えた。

風の威力が魔光丸と並んだ。

 

「見ているか幽助!!これが俺の持てる全てだァァァァァ!!!!!」


ビュォォォォォォォォォ!!!!!!!!

 

過去最大ともいえる風が吹き出した。

この風には陣の三年間の修行の全てが詰まっていた。

その想いの全ては打倒幽助。

 

「幽助ェェェェェ!!!!」

 

ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!

 

カーー!!!

 

ドーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!

 

魔光丸と陣を包み込んでいた竜巻は共に消え去った。

陣が空に浮かんでいる。

 

陣、ニコリ。

「幽助の全力の妖丸に俺は負けなかったぞ……」

 

グラッと身体が前に倒れる。

 

(うっ……)

 

ヒューーー

 

力の全てを出し尽した陣は地上に向かって落ちていった。

 

――Aブロックの地上

 

「陣!!」

 

バッ!!

 

幽助は地上に落ちてくる陣を受け止める為に高くジャンプした。 

 

ドスン!!

 

幽助の腕に落ちてくる陣。


陣、ニコリ。

「ナイスキャッチ」

 

幽助もニコリと笑っていた。

「へへへ」

 

陣を腕に抱えたまま地面に着地した。

 

「大丈夫か?」

 

「ああ。もう降ろしても大丈夫だ」

 

陣は幽助の腕から離れて地面に降りた。

 

「幽助、俺は持てる全部の力を出したぞ」

そう答えた陣の顔は全てを出し尽くして満足した男の顔をしていた。

 

「幽助の気が変化してから、戦ってみて正直、幽助に勝てないって分かった」

 

「陣……」

 

「勝てないまでも幽助が全力を出した力がどれだけのもんか知りたかったんだ。それに、俺も自分の限界も知りたかった」

 

「ったく、おめーにはやられたぞ。最後は俺の全力の魔光丸と互角だったからな。あれは自信があった一発だったんだぜ」

 

「あれは魔光丸っていうのか。本当にスゲー威力だったぞ。俺はあれを抑えるのに全ての妖力を使い切っちまった。撥ね返すなんてとんでもねー話しだった」

 

幽助、ニヤリ。

「続き、まだやっか?」


「あはは、無理無理。もう俺は戦えねーぞ」

 

陣は苦笑いを浮かべて幽助に自らの負けを告げたのだった。

 

「またやろーぜ!」

 

「もちろんだ、幽助」 

 

ガン

 

お互いに拳をぶつけた。

 

ヒョコヒョコヒョコっと地上に避難していた審判の天海が現れた。

そして天海は手を挙げた。

 

「Aブロックの第十四試合は浦飯選手の勝利です!!!!」

 

高々に幽助の勝利を宣言した。

 

――選手たちの休憩所

 

飛影はアップで映し出されている幽助を観ながら不満を口にする。

「幽助の奴、わざわざ全力の妖丸(魔光丸)を撃たなくても陣を倒せただろうに」

 

蔵馬、ニコリ。

「まあまあ。俺は幽助らしいと思いますけどね」

 

「これからまだまだ戦っていかねばならないというのに馬鹿な奴だ」


「フフ、後先を考えないのは飛影といい勝負じゃあないですか?」

ちょっとからかうような口調で飛影に言った。

 

「むっ……」

図星なだけに蔵馬に言い返せない飛影であった。

 

一方、幽助の全力の魔光丸を見た修羅は神妙な顔をしていた。

(今の幽助の妖丸(魔光丸)を放った時の気は僕の全力の妖力を完全に上回っていた)

 

息子の顔を見る黄泉。

(今の浦飯にお前は勝てないだろう。だが、浦飯と戦うまでにはまだ時間はある。修羅よ、もっと強くなれ!)

 

同じAブロックで勝ち進めばいずれ幽助と戦う事になる息子を口には出さずに心の中で激励した。

 

スクリーンに笑顔の幽助が映し出された。

「僕は幽助には負けない」

 

修羅はさらに幽助に対して強い闘争心を燃やしたのだった。

それから暫くした後、選手たちの休憩所に幽助と陣が揃って戻って来た。

幽助と陣が肩を組みながら仲間たちの元へ。

「戻ったぞ」

 

凍矢が陣の側に駆け寄る。

「惜しかったな」

 

「いや、惜しくないぞ。本気の幽助は本当に強かった。全力の魔光丸を使わなくてもあいつは俺を倒せてたもんな。でも俺の為に全力の一発を撃ってくれた。おかげで納得いく戦いが出来たから悔いはねーぞ」

 

凍矢、満足そうな陣の顔を見てニコリ。

「そうか」

 

「幽助に今度こそ勝てるようにまた修行だ」

 

「俺も修行する時はお前に付き合うさ」

 

「サンキュー、凍矢」

 

陣の目は既に次の目標に向かって輝いていた。

 

「おい!浦飯、さっきのはなんなんだよ」

桑原は幽助が戻るなり早速、魔光気の事を聞こうと詰めよる。

 

「ああ?なんのことだよ」

何の事かまったく分からない幽助。

 

ゴン!

 

桑原は幽助の頭を叩く。

 

「ってーな!何すんだよ」

 

「おめーは馬鹿か!てめえの気だよ」

 

「それがどうしたってんだ?」

 

ゴン!

 

さらに一発、幽助の頭を叩く桑原。

 

「一度ならず二度までも殴りやがったな!いっぺん死なすぞ、コラァ!」

 

「てめーが分からんからだ。この馬鹿!!」

 

「分かるか!」

 

幽助と桑原のやり取りを見ていた蔵馬がやれやれっといった顔で間に入る。 

 

「幽助が先程、陣と戦っていた時に仙水のような姿になっていた。それと同時に妖気から変化した霊気でも妖気でもない、あの気について桑原君は聞いているんだ。あれは何の気なんだ?」

 

「何だ、あれの事かよ。あれは俺も知らねーよ。仙水と戦った時にあいつが空を飛んだり、気で防具を作ったりしていただろう?あれみてーなことが俺にもできねーかなって、色々やるうちに編みだしたんだ」

 

桑原は呆れ顔。
「浦飯よー、おめーの放つ気が金髪の野郎と同じ気なんだぞ」

 

桑原の言葉に目を丸くしてかなり驚く幽助。

「マ、マジかよ!?」


「ええ」

頷く蔵馬。

 

「今、初めて知ったぞ」

 

桑原と蔵馬は唖然。

「ほれみろ!やっぱ、馬鹿だ!俺の言った通りだろ!」

 

バゴッ

 

「わっぷ」

 

桑原の顎に幽助の一撃が決まる。

 

ドテッ

 

「ったく、馬鹿馬鹿うるせーぞ」

 

「ところで幽助、コエンマから預かった霊界との通信機は持って来ているのか?あれからこっちも連絡していないから何か霊界に動きがないかコエンマに聞いてみないのか?」

 

「持って来てるぜ!確かに連絡してなかったな。ちょっと待ってろ」

 

ゴソゴソ

 

幽助は持って来ていた荷物袋を開けて中を探す。

 

(!)

 

「見つかった?」

 

「あっ……。煙鬼のおっさんに借りてた部屋に忘れてきた……」

 

「幽助……」

(桑原君の言う通り、本当に馬鹿かもしれない)

 

その後、一悶着あったものの大会は進み、一回戦の全ての試合が終了した。

そして次の二回戦の対戦表が公開された。


魔界統一トーナメント
【Aブロック】
二回戦の対戦表

(1)
乙夜(いつや)
×
時雨(しぐれ)

(2)
武威(ぶい)
×
桑原(くわばら) 

(3)
紅浦(もみうら)
×
魁偉(かいい)

(4)
修羅(しゅら)
×
秋霜(しゅうそう)

(5)
虚仮(こけ)
×
煙鬼(えんき)

(6)
高砂(たかさご)
×
孤光(ここう) 

(7)
氷室(ひむろ)
×
浦飯(うらめし)

(8)
砌(みぎり)
×
独参刃(どくさんば)

 

魔界統一トーナメント
【Bブロック】
二回戦の対戦表

(1)
棗(なつめ)
×
曲尺(かねじゃく)

(2)
鉄山(てつざん)
×
樞(とぼそ)

(3)
夏越(なごし)
×
雅(みやび)

(4)
周(しゅう)
×
飛影(ひえい)

(5)
遠流(おんる)
×
奇淋(きりん)

(6)
袁紹(えんしよう)
×
野晒(のざらし)

(7)
泰斗(たいと)
×
八寒(はっかん)

(8)
陰間(かげま)
×
死々若丸(ししわかまる)

 

魔界統一トーナメント
【Cブロック】
二回戦の対戦表

(1)
木阿弥(もくあみ)
×
九浄(くじょう)

(2)
酎(ちゅう)
×
東王(とうおう)

(3)
闇闇(あんあん)
×
倉皇(そうこう)

(4)
楽越(らくえつ)
×
一弦琴(いちげんきん)

(5)
改廃(かいはい)
×
燕(つばめ)

(6)
才蔵(さいぞう)
×
諸星(もろぼし)

(7)
左奈(さな)
×
孔雀(くじゃく)

(8)
戸熊(とぐま)
×
凍矢(とうや)

 

魔界統一トーナメント
【Dブロック】
二回戦の対戦表

(1)
蔵馬(くらま)
×
電鳳(でんぽう)

(2)
梟(ふくろう)
×
鈴木(すずき)

(3)
鷹松(たかまつ)
×
仙道師(せんどうし)

(4)
鍬形(くわがた)
×
黄泉(よみ)

(5)
八千草(やちぐさ)
×
躯(むくろ)

(6)
照星(しょうせい)
×
刹那(せつな)

(7)
矢治(やじ)
×
暗礁(あんしょう)

(8)
駒津(こまつ)
×
痩傑(そうけつ)

 

さらに激しい戦いとなっていく二回戦がいよいよ始まろうとしていた。

 

続く

 

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