nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #083「幽助の新しい力(大会編)」

――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合

 

浦飯(うらめし)
×
陣 (じん) 

 

――メイン会場

 

「あ、あれは!?」

 

北神はスクリーンに映る映像に驚いた。

それは陣がまた新たな技を使い、その直撃を受けた幽助が岩壁に思いっきり叩きつけられていたからだ。 

 

「陣がさっきから凄いぜ」


「風を自由自在に扱いやがるし、色々な技を使ってくるよな」

観客の妖怪たちも陣の多種に渡る技の数々に驚いている。

 

北神、額から汗。

「あいつは一体、幾つの技を編み出しているんだ!?」

 

――Aブロック

 

ガラガラガラ

 

岩壁が崩れて地面に落ちている。

幽助はその岩壁の中に叩き込まれていた。

 

「さっきから陣にビックリさせられっぱなしたぜ。今度は遠隔攻撃なんてな」

 

陣、ニコリ。

「修羅旋風丸って技だ」


「ったく、技の百貨店かよ」

 

ゆっくりと起き上がる幽助。

 

「今のは油断したがもう同じ技はくらわねー」

態勢を整えると幽助は構えた。

 

「また力比べといくかー」

 

「ああ」

 

バッ!

 

幽助は横に飛びながら右手で妖丸の構えを作る。

 

キュンンンンン

 

「ショット」

 

ズドオォォォォォォン!!!!!

 

妖丸を放つ。

 

「行くだぞー」

 

スッ

 

ビュォォォ!!

 

陣の手の平に小さな竜巻が発生する。

 

「修羅旋風丸!!」

 

ビュォォォォォォォォォ!!!

 

小さな竜巻が妖丸に向かって行く。

そして、竜巻は陣の手から離れると巨大な竜巻となった。

 

グォォォォォ!!!!

 

ビュォォォォォォォォォ!!!!!

 

妖丸と竜巻がぶつかる。

 

ズギャギャギャーン!!!!!

 

カーー!!!!

 

ドーーーーーン!!!!

 

妖丸と竜巻は共に消滅した。

 

「相打ちか」

 

「威力は互角だな」

 

「ああ。陣行くぜ!」

 

ズキューン

 

幽助は陣に接近。

 

「オラァァァァ!!」


ビューン!!

 

ストレートを放つ。

 

陣は風で身体を宙に浮かせてパンチをかわした。

 

ギュウウウウウウ

 

そして再び風を操り空に昇っていく。

 

「また空か」

 

幽助は空を見上げながら対策を考える。

 

――選手たちの休憩所

 

凍矢が試合を終えて戻って来た。

鈴木が出迎える。

「おっ!戻ってきたか」

 

「ああ。死々若丸はまだか?」

 

「死々若はまだ戦っているよ。相手が躯の直属の戦士だからちょっと苦戦しているみたいだ」

 

「そうか。それで、幽助と陣の戦いはどうなっている?」 

 

「空中から陣が旋風丸で幽助を攻撃しているところだ」

 

鈴駒も楽しそうに試合を見ている。

「あいつらは凄くこの戦いを楽しんでいるみたいだよ」

 

「フッ、だろうな」

凍矢はスクリーンに映る陣に目を向けた。

 

ー―Aブロックの地上

 

ズギャギャギャーン!!!!!

 

カーー!!!

 

ドーーン!!!!

 

妖丸で旋風丸を相殺する。


「陣が空から遠隔攻撃をしてくるとこんなに戦いづらいとは思わなかったぜ」

 

ビュォォォォォォォォ!!!!!!

 

巨大な竜巻が幽助を襲う。


「またかー」

 

スッ

 

ズドオォォォォォォン!!!!

 

妖丸で応戦する。

 

(本当に厄介だ。こうなったらあれを使うことも考えねーといけないかもな)

 

――選手たちの休憩所

 

鈴木が陣の戦い方を見て感心している。

「陣の奴、積極的に攻撃を仕掛けているな。いい感じだ。幽助も手を焼いている」

 

頷く鈴駒。

「もう何発もお互いに撃ち合っているね。陣の方が今の所、優勢かな」

 

「風を操り空を飛べる陣に対して、幽助は空を飛べない。この違いが戦いに影響を及ぼすかもしれないな」

(あれは三年前の大会が終了してから幽助が人間界に戻って数日後ぐらいだったな)

 

凍矢は幽助と熱い戦いを繰り広げている陣を見ながら過去の出来事を思い出し始めた。

 

――凍矢の回想

 

魔界の18番地区で陣が修行をしていた。

それは誰の目から見てもかなり激しい修行。

 

疲れ果てて、地面に大の字になって寝ている。

陣の側に凍矢がやって来た。 

 

「陣、もう修行を開始しているようだが、体はもういいのか?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「大会が終わってまだ数日だ。傷も癒えていないだろう。今は身体を休めた方がいいのではないのか?」

 

陣は大会で雷禅の喧嘩仲間と戦い、全身に大きな傷を負っていた。

 

「ありがとう。大丈夫だ」

 

「それならいいが。そうそう、幽助は人間界に帰ったらしいぞ」

 

「そっか……幽助は帰ったか」

ちょっと残念そうな声を出す。

 

「今回は幽助と戦えなくて残念だったな」

 

「だな。幽助とは久しぶりに戦ってみたかったんだけどなー」

 

「しかし、お前が大丈夫だといっても大きな傷を受けた筈だ。修行は完全に治ってからにしたらどうだ?」

 

「今は少しでも早く修行をして強くなりたい気分なんだ」

 

真剣な顔で拳を握り締めている。

 

「お前の事だ、幽助と黄泉の戦いに触発されたんだろう?」

 

「ああ。幽助の奴、黄泉との戦いの中で急激に成長していった。どんどん幽助と俺との力の差が広がっていってる」

 

「あの試合であれだけ力の差があった黄泉に追いつけとばかりに急成長を遂げた幽助の底力には俺も驚かされたけどな」 

 

「幽助の事もあるけど、それ以上に自分自身の力のなさが一番悔しかった。あんなに簡単に負けてしまうなんて」

陣の声のトーンが落ちた。

 

「それを言うなら俺もだ。今回はくじ運に恵まれてベスト4まで進んだが、準決勝で戦った煙鬼には一撃で倒されてしまったのだからな」

 

「今度の大会は三年後だ。幽助は勿論、あいつらとも肩を並べるぐらい俺は絶対に強くなってやる」

 

凍矢、ニヤリ。

「同感だ。修行には俺も付き合うぜ」

 

「お~い!!」

後ろから大きな声が聞こえて来た。

 

「うん?」

陣と凍矢が振り向く。

 

「あれは、鈴木と死々若だ」

 

「あいつらもどうやら俺たちと同じ気持みたいだな」

 

「だな。へへへ、みんなで一緒に修行して強くなって三年後の大会は大暴れしてやるぞー」

 

凍矢、ニコリ。

「フッ、賑やかな修行になりそうだ」

 

――凍矢の回想終わり

 

(あれから、俺たちは三年間共に修行を積んできた)

 

スクリーンには幽助と陣が妖丸と旋風丸で激しく撃ち合っている。

 

(一緒に修行した四人の中で一番努力を重ねてきたのは陣、お前だ。幽助や雷禅の仲間と戦う為に編み出した技の数々を存分に見せてやれ)

 

――Aブロックの上空

 

陣、ニコリ。

「幽助、俺の遠隔攻撃は旋風丸だけではないぞ」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!

 

陣の右足に風が集まってきた。

 

「修羅疾風脚」

 

ビュッ!!

 

ヒュオォォォォォォ!!!


陣は右足で空中を蹴ると大気の刃が発生した。

 

―ーAブロックの地上

 

幽助「あれは何だ!?」

 

ヒュオォォォォォォ!!!


幽助に大気の刃が迫って来た。 

 

「勘だけど、あれはやべーな」

 

バッ

 

素早くジャンプ。

 

ヒュオォォォォォォ!!!


大気の刃はそのまま幽助の後方にあった岩壁に向かって行く。

 

シュパーン

 

岩壁を真っ二つに切り裂いた。

 

ズドーン!!!

 

切り裂かれた岩壁が地面に落ちた。

 

「今度は大気の刃……。マジかよ!?」

 

幽助は苦笑いを浮かべた。


「このままでは流石にやべーな。仕方ねー。俺の新たな力を見せてやるぜ」


――Aブロックの上空

 

「幽助は俺の新技の数々に驚いているみたいだなー」

陣は幽助との戦いを心の底から楽しんでいた。

大会参加の最大の目的であった幽助との戦い。

今、その目的が果たされ、陣はこの試合に全てをかけていた。

三年間の修行の集大成。

出し惜しみは一切しない。

全ての技を幽助にぶつける。

 

(これは妖丸で撃っても消滅させるのは無理だぞー。幽助がどういうやり方で俺の疾風脚に対処して来るか楽しみだ)

 

再び修羅疾風脚を幽助に向けて放つ態勢になる。

 

――Aブロックの地上

 

幽助、ニコリ。

「陣、俺の身体には人間だった頃の霊気、そして魔族になってからの妖気の両方が存在している」

 

スッ

 

両手を左右に広げる。

 

「左手に霊気、右手に妖気」 

 

ゴゴゴ……

 

両手に色の異なる光があらわれる。

 

「これを50:50に合成する」

 

ブォォォ!!!

 

幽助の胸元で二つの異なる光が一つになる。

 

シュゥゥゥゥゥ

 

一つになった光は幽助の身体に吸収されて行く。

 

ゴォォォォォォォォォォ!!!!!

 

すると幽助の身体から妖気と霊気の両方が放出され始めた。

 

「本当は黄泉や躯と戦う為に編み出した技だけどよー。陣、ここでおめーを倒す為にこれを使うぜ!」

 

ゴォォォォォォォォォォ!!!!!

 

幽助の身体から妖気と霊気が一つになった全く別の新たな気が生み出されている。

 

「行くぜ!!!!!」

 

ピカーー!!!!!!

 

幽助の身体が大きな光を放ち始める。

 

――選手たちの休憩所

 

楽越が壁を背にして、スクリーンで幽助の試合を見ていた。

 

「幽助、最高に面白いやつだ。あんなマネが出来るとへは」

 

楽越は血が騒ぐのを必死で抑えていた。

(幽助、お前と戦うとしたら決勝戦になる。こんなところで遊んでないで、早く勝ち上がっていこうぜ)

 

――Aブロックの上空

 

上空の陣。

「あれは何だ!?」

幽助が何か仕方けようとしている事に気付く。

 

「なんか分からないけど、無防備だぞー」

 

ビュッ!!

 

ヒュオォォォォォォ!!!


陣は幽助にここで修羅疾風脚を放った。

 

――Aブロックの地上

 

ヒュオォォォォォォ!!!


光を放ち続ける幽助に大気の刃が襲いかかる。

 

ガン!!!

 

幽助の身体に接触した大気の刃は弾かれた。

 

――Aブロックの上空

 

「嘘だろーー!!?」

 

大気の刃が簡単に弾かれたことで陣は思わず声を上げた。

 

――Aブロックの地上

 

幽助の身体から放たれていた光が消えた。

 

幽助、ニヤリ。

「完成だ。待たせたな陣。覚悟しゃがれ」

 

幽助の身体には誰もが驚くある変化が起こっていた。

そして、幽助vs陣

その戦いはいよいよ終盤戦に突入していく。

 

続く

 

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