nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #082「陣の新たな技(大会編)」

――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合

 

浦飯(うらめし)
×
陣 (じん) 

 

陣の新技・修羅旋風脚を幽助を直撃。

 

「ぐっ」

 

ザザザ!!!

 

攻撃を受けた幽助は衝撃で後ずさる。

そしてジャンプして離れて、陣と距離を取った。

 

「危なかったぜ……」


ビリビリ

 

「痛ってー」

 

両腕には激しい衝撃を受けた後が残っていた。 

幽助は直撃寸前に、妖丸を放つ構えをしていた右手、そして修羅旋風拳を受け止めていた左手を素早く離して防御に切り替えることで、旋風脚と旋風拳の両方の攻撃を妖気を集中した両手で受け止めてガードしたのだった。

 

「流石は幽助だなー」

 

フワーー

 

陣が幽助の側に近づく。

 

陣、ニコリ。

「幽助、足版の修羅旋風拳には驚いただろー?」

 

「ああー、驚いたぜ。おめーも修行を相当積んでいたんだな」

 

「俺の技はまだまだこんなもんじゃねーぞ」

 

ギュウウウウウ

 

陣は風を操り上空に昇る。


――選手たちの休憩所

 

鈴木と凍矢がスクリーンに映る幽助たちと試合を見ていた。

「陣の奴、修羅旋風脚を早速使ったな」

 

「幽助の奴、まさかあのタイミングで防御に切り替える事が出来るとは」

 

「ああ、全く大した奴だぜ。だが、陣の新技はあれだけではない。幽助が陣のこれから繰り出してくる新技をどう対処するか楽しみだ」


――Aブロックの上空

 

「よしっ!」

 

ググッ

 

グルグルグル

 

陣は両腕を抱え込み、身体を回転し始めた。

 

ゴゴゴ!!!

 

竜巻が陣の全身を包み込む。

陣が自ら竜巻を作り出したのだ。

 

――Aブロックの地上

 

「あれが何か知らねーが」

 

スッ

 

上空の陣に向けて妖丸を放つ構えを作る。

 

「技が完全に完成するまで、わざわざ黙って見てるほど俺は気が長い方じゃねーんだ」

 

キュンンンンン

 

「くらいやがれー!!!妖丸!!!!!!!」

 

ズドオォォォォォォォォン!!!!!!!

 

陣に向けて妖丸が放たれた。

 

――Aブロックの上空

 

「あいつ」

自分に向かって飛んで来る妖丸に気付いた。

 

グォォォォォォォ!!!!


妖丸が陣に迫って来ていた。

 

「俺の技も完成したぞー」

 

ゴゴゴ!!!!!

 

陣の身体は完全に竜巻に包み込まれていた。 

 

「修羅突風撃」

 

ギュウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!! 


陣は迫って来ている妖丸に躊躇う事なく突っ込んでいった。

 

グォォォォォォォ!!!!


「行くだぞォォォォ!!!!!」

 

バァァァァ!!!!

 

陣と妖丸が接触する。

 

ビュォォォォォォォ!!!


陣は全身を包み込んでいる竜巻から吹き出す激しい突風を妖丸にぶつける。

 

ギャギャャァァァン!!!!!!!!

 

ググッ!!

 

凄まじい突風により妖丸の向きが左に徐々に動き、その軌道を変えつつあった。

 

――Aブロックの地上

 

陣が妖丸に突撃してきた事に少し驚く幽助。

 

「おいおい、マジかよ……」

 

――Aブロックの上空

 

「俺には妖丸は通用しねーぞォォォォ!!!!!」


ビュォォォォォォォ!!!!!!

 

さらに激しさを増す突風。


ギャギャャァァァン!!!!

 

ググググッ!!!!!! 


妖丸は左に軌道変えた。

 

グォォォォォォォ!!!

 

妖丸は左へそのまま飛んでいった。

 

――Aブロックの地上

 

「あいつ爆風衝壁のように妖丸の軌道を変えやがった」


スッ

 

再び妖丸を放つ構えを作る。

 

キュンンンンン

 

「だったらもう一発だ」

 

ズドオォォォォォォン!!!!!

 

再び妖丸を陣に撃つ。

 

――Aブロックの上空

 

「無駄だぞォォォォォォ!!!!!」

 

ギュウウウウウウウウウ!!!!!!!

 

竜巻に全身を包まれている陣は再び妖丸に向かって突撃した。

 

ビュォォォォォォォォォ!!!!

 

激しい突風と妖丸が再びぶつかる。 

 

ギャギャャャァァァン!!!!!

 

ググググ!!!!

 

さっきと同じように妖丸の軌道が左側に徐々に変化していた。

 

――Aブロックの地上

 

「今のとさっきのを見て、おめーに妖丸が通用しないのは分かったぜ」

 

スッ

 

「だがよー、連射ならどうだ」

 

ズドオォォォォォォォォン!!!!

 

スッ

 

ズドオォォォォォォォォン!!!!

 

連続でさらに二発の妖丸を放つ。

 

――Aブロックの上空

 

二発の妖丸が新たに陣に向かって行く。

 

「幽助、甘いぞ!」

 

ビュォォォォォォ!!!

 

陣は叫ぶと同時に左に軌道を変えようとしていた妖丸に突風を思いっきりぶつけた。 

 

「今度はお前にお返しするぞォォォォ!!!」

 

ズキャャァァァァァァ

 

突風がなんと妖丸を撥ね返した。

 

グォォォォォォォォォ!!!!!!

 

二発放った妖丸の一発目と撥ね返した妖丸がぶつかる。

 

カーー!!!

 

ドガァァァァァァァァァ!!!!!

 

二つの妖丸はぶつかって消滅した。

 

グォォォォォォォ!!!!!!

 

もう一発の妖丸が陣に迫る。

 

「これも撥ね返してやるぞォォォォ!!」

 

ビュォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!

 

どんどん激しさを増す陣の突風。

 

ズギャギャャギャァァァン!!! 

 

陣の突風は妖丸を再び撥ね返す。

 

突風の力により幽助が放った時よりもさらに加速された妖丸が幽助に向かっていく。

 

――Aブロックの地上

 

幽助、ニヤリ。

「本当にスゲーぜ、陣」

 

スッ

 

右手で妖丸を放つ構えを作る。

 

キュンンンンンン

 

ズドオォォォォォォォォン!!!!!

 

陣に撥ね返された妖丸に向かって幽助はもう一発の妖丸を放つ。

 

妖丸で妖丸を相殺する為である。

 

――選手たちの休憩所

 

「ご、五発目の妖丸!!?」

 

桑原は驚く。


蔵馬と飛影は驚いている桑原を見て、顔を見合わせた。

 

――Aブロック

 

カーー!!!!

 

ドガアァァァァァァァァァン!!!!!

 

互いにぶつかった妖丸は消滅した。

 

「よしっ!」

 

ギュウウウウウウウウ!!!!!!!

 

「幽助!もらったぞ」

 

陣は撥ね返した妖丸の影に隠れ、妖丸と一緒に幽助に向かってきていたのだった。

 

「やっぱりな。そうくるだろうと思っていたぜ」

 

ゴゴゴ!!!

 

幽助の両手は妖気の光に包まれていた。

妖丸を放つと直ぐに両手に妖気を集中していたのだ。

 

「オラァァァァ」

 

ガシッ!!!!!!!!

 

ズン!!

 

(!?)

 

幽助は全身を竜巻に包まれて体当たりしてきた陣の身体を両腕で受け止めた。

 

ビュォォォォォォォォォ

 

妖丸を撥ね返す力を持つ激しい突風が幽助を襲う。

 

「ヌォォォォォォォ」


ザザザ……

 

幽助の身体が突風により徐々に後ろにおされる。

 

「陣!!!やるじゃねーか!!爆風衝壁に攻撃能力を加えた技を考えつくなんてよ!!!」

 

「もちろん幽助、全てはおめーに勝つ為だ!!!俺は負けねーぞ!!!」

 

幽助と陣が同時に声を上げた。

「ウォォォォォォォォ!!!!」

 

ピシッ!!ピシッ!!ピシッ!!

 

バチバチバチ

 

ドォォォォォォォォォ!!!!

 

幽助と陣の凄まじい妖気のぶつかり合いでその周辺は妖気の結界に包まれる。

 

――選手たちの休憩所

 

幽助たちの戦いっぷりを見て桑原が興奮している。

「スゲーぜ!!何て、馬鹿でかい妖気なんだ!!!」

 

蔵馬は素直に感心していた。

「陣の奴がここまで強くなっているとは」

 

飛影も同意。

「幽助と戦いたいという強い思いが奴をここまで強くさせたのだろうな 」 


「しかし、浦飯が五発目の妖丸を撃つなんて驚きだぜ」

 

「蔵馬、やっぱりあいつは知らないみたいだぞ」

 

「桑原君は前の大会の時にはいませんでしたからね」

 

「あっ?何のことだ?」

桑原は首をかしげる

 

「幽助の妖丸は全力でないなら妖力が続く限り何度でも撃つことが出来ますよ」

 

「そ、そうなのか?」


「黄泉と前の大会で戦った時は何十発も撃っていましたからね」

 

「黄泉の反衝壁でことごとく防がれていたがな」


「でも全力で放つなら一日八発が限度と幽助は言っていましたよ」

 

「じゃあ、浦飯が陣に放った妖丸は全力の妖丸ではないってのか」

 

「ええ、あれは全力ではないですよ」

 

「ゲゲッ!あれで全力じゃあねーのかよ!?仙水を倒した時に放った弾の数倍の威力がありそうだが……」

 

「だが今の陣を倒すには幽助も全力の妖丸を撃たないといけないだろうな」

 

「でしょうね」

 

――Aブロック

 

幽助と陣の力が拮抗している。

 

「ウォォォォォォ!!!」

 

カーー!!!

 

ドーーン!!!!!

 

彼等の妖気の光が天に昇っていく。

 

幽助の両手に集中していた妖気と陣の全身を包み込んでいた竜巻が消え去った。


竜巻が消えて陣の息が少し荒くなった。

「ハァハァハァ……。俺の竜巻が消えちまったぞ……」

 

幽助、ニヤリ。

「こんなに面白い戦いは三年前の黄泉との試合以来だ」

 

お互いの目が合う。

そして同時に声を上げた。

 

「さあ、始めようぜ!」

 

ズキューン!!

 

「オラァ!」

 

バキッ!

 

幽助のストレートが陣の顔面を直撃。

 

「ぐっ……」

 

ドゴォォ!

 

「うっ……」

陣のアッパーが幽助の顎を直撃した。

 

ズガガガ!!!!!!

 

幽助と陣は激しい肉弾戦を始めた。

 

――メイン会場

 

幽助と陣の戦いに触発されて小兎の解説に熱が入る。

「あ~っと!浦飯選手と陣選手がさっきまでと変わり、今度は凄まじいまでの妖気を放出しながら肉弾戦を始めました。果たして闘場は彼等の妖気に耐えることが出来るかァァァ!!!」

 

「総合的に見た感じ浦飯と陣は互角だよな」

 

「ああ、スゲー奴らだ」

 

隣の観客の会話を北神が聞いていた。

 

(互角の戦いに見えるが、陣は全力の力を出しているのに対して、幽助さんはまだまだ余力を残して戦っている。陣が幽助さんの力をこれからどこまで引き出せるかが勝負の鍵になる)

 

「北神はどっちが勝つと見ているんだ?」

北神の隣にいる東王が問いかける。

 

「私は」

 

〈 ワァァァァ!!!!〉

 

北神が東王に答えようとしたその時、観客の歓声が上がった。

 

「何だ?」

 

「北神、あれを見ろ」


北神がスクリーンに目を移すと、激しい肉弾戦を繰り広げていた幽助と陣の戦いに大きな変化が起こったのだった。 

 

「あ、あれは!?」

 

スクリーンに映る光景を見た北神は驚いた。

 

続く

 

次へ

戻る