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このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #067「予選開始(大会編)」

――魔界3番地区・魔界統一トーナメント会場

 

第二回魔界統一トーナメント予選の抽選がついに開始された。

魔界統一トーナメントの予選は、前の大会と同じく超巨大植物億年樹の上で行われる。

大会に参加した出場者は、128ブロックに分けられる。前回は出場者の首にリングがつけられ、それぞれがそれを奪い合うルールを採用していたが、今回は戦闘不能もしくは、降参することによって失格になるというルールに変更され、最後の一人になるまで戦い続けるバトルロワイアル方式となった。

出場選手たちが次々と抽選を引いていくなか128ブロック中で唯一71ブロックで波乱が起きた。

 

「お~~!!マジか!!?予選からいきなりかよ」

 

「前の大会で黄泉対修羅の親子対決っていう波乱があったが今回もかよ!!」

 

なんと北神と魔道本家奇淋が同じブロックで戦う事になったのだ。

抽選結果が映し出されているモニターを北神と奇淋は見ていた。

両者の目が合う。

 

「魔道本家奇淋か」


「かって雷禅の下でNo.2だった男・北神。面白そうだな」

 

予選とは思えない好カードに参加者、観客も大盛り上がり。

 

幽助が北神の肩に手を置いた。

「いきなり予選から強敵だな北神」

 

北神は頷くと溜息をついた。

「ええ。まさかいきなり奇淋と予選から戦う事になるとは思いませんでしたよ」

 

「あいつに勝てそうか?」

 

「やってみないと分かりませんがちょっと厳しいかもしれませんね」

 

「あいつは躯の所で飛影が来るまでNo.2だった男だよな」

 

「そうですね。幽助さん、蔵馬、飛影が魔界に来て、それぞれの国のNo.2の座につくまでは、私が雷禅軍、奇淋が躯軍、そして今は亡き鯱が黄泉軍のNo.2で長い間争ってきました。そして奇淋は我々の中でも頭一つ抜き出ていた存在でした」

 

「あいつ、前の大会で親父の仲間の電鳳と戦って負けたけどけっこう善戦していたんだよな」

 

「はい。かなり強いです。この三年間でどこまで強くなっているか分かりません。ですが勝敗を考えず試合では私の全てを出し尽くして戦うまでです」

 

「負けるんじゃねーぞ」

 

北神、ニコリ。
「ええ。かっての最大の好敵手と決着をつけるいい機会です。必ず勝ちます」

 

会場のモニターの画面が切り替わる。

画面には、予選会の抽選終了の文字が表示された。

そして樹里がステージに現れた。

 

「これで全ての予選の抽選会が終了しました。解説席の小兎さん」

 

樹里の呼びかけにモニターが切り替わり、解説席が画面に映し出された。

解説席には、小兎の姿が。

 

「はい、こちら解説の小兎です。樹里さん本当に御苦労様でした。予選の抽選会が終了しましたので、次は今大会の注目の選手を私がこれから紹介をしていきます」

 

モニターの画面に選手の姿が映し出された。

 

「まずは、前回の覇者であり現在の魔界の王、そして今大会の主催者でもある煙鬼選手は94ブロックです。優勝候補の筆頭ですね。前大会では準々決勝で優勝候補の躯選手を倒し、そして決勝では才蔵選手を倒して、見事に大会を制覇しました。今大会では二連覇の期待がかかっています」

 

煙鬼は顔をポリポリ掻きながら画面を見ている。

「やれやれ二連覇か。勝つのはいいが王の仕事は大変だからな」

 

「13ブロックには躯選手。その恐ろしいほどの強さは、魔界の三大勢力として君臨していた頃と変わらず、魔界最強クラスの実力は健在です。今大会でも優勝候補です」

 

躯、ニヤリ。

「フッ、最強クラスか」

 

「続いて6ブロックには、躯選手と並ぶ三大勢力の一角でありました黄泉選手。彼もまた優勝候補です。前大会で浦飯選手と60時間以上に渡る大会最長の時間を戦い抜きました。今回ももちろん優勝を狙って来ることでしょう」

 

 

「無論だ」

 

「続いて前大会の決勝で煙鬼選手と激戦を繰り広げ、惜しくも準優勝者となりました才蔵選手は22ブロックです。攻守のバランスが優れ、完成されたその力で優勝を狙います」

 

頷く才能。
「攻守のバランスか。確かにそうだな。あの解説の子はなかなか分かっている」

 

「続いて孤光選手が62ブロック。前大会の三回戦で北神選手、そして四回戦で優勝候補の黄泉選手を倒し会場に衝撃を走らせました。魔界で最速のスピードで優勝を狙います。ちなみに煙鬼選手の奥様でもあり、女性選手で唯一の人妻でもあります」

 

小兎の解説内容に顔をしかめる。

「唯一の人妻って言われるとなんか年を取っているように聞こえて嫌だね~」

 

小兎の紹介が続く中、次は幽助たちの紹介になった。

 

「続きまして36ブロックは浦飯選手。前大会の主催者でこの大会の元々の発案者でもあります。前大会の黄泉選手との熱い戦いは、手に汗を握る最高の試合でした。今大会ではどこまで勝ち進むか未知の存在です」


幽助、ニヤリ。

「どこまで勝ち進むかか。もちろん優勝までだぜ」

 

「元黄泉軍・軍事総長でありNo.2でもあった蔵馬選手は38ブロック。優しげな外見とは裏腹に非常に抗戦的であり尚且、冷静沈着な面を持ち合わせ持っています」


蔵馬、ニコリ。

「まあ、間違ってはいないな」

 

「そして85ブロックには、飛影選手。元躯軍77人の直属の戦士の中で最強の妖怪。第三の目である邪眼を使ってパトロールでも多いに活躍していました。この大会では間違いなく上位に食い込むと思われます」

 

飛影は目を閉じて無言で小兎の解説を聞いている。

 

「そして93ブロックには、今大会で唯一人の人間である桑原選手。主催者の煙鬼選手の特別な計らいでこの大会に参加。最強クラスの妖怪たちが集まる中で人間としてどこまで戦えるか見物です」

 

人間の桑原の参加は、妖怪たちをざわめかせた。

桑原を罵倒する言葉があちらこちらから出ていたが、

桑原自身は特に気にした様子は無かった。

 

「へへ。修行の成果を見せてやるぜ」

むしろ彼は燃えていた。

 

「北神選手と魔道本家奇淋選手は、国は違いますが長年の間No.2同士として凌ぎを削りあってきた好敵手。 その彼等が71ブロックで予選から激突します。一番注目を集めているブロックです」

 

「いきなり全力でいくしかないな」

 

「北神と長年に渡って決着がつかずじまいだったからな。決着をつけるいい機会だ。存分に戦わせてもらうぞ」

 

それから暫く小兎による選手紹介が続けられた。

 

「以上を持ちまして紹介を終わります。そして今から予選を開始致します」

 

――128ある億年樹の上にそれぞれブロック別に選手たたちが振り分けられた。

予選の開始の合図を待っている。

 

予選は128全てのブロックが同時に行われる。
この大会の為に128の億年樹がこの場に移植されたのだった。

 

ーー予選会場の上空

 

上空から審判の女性が会場全土を見回した。

 

「始め!」

 

審判の声が会場全土に響き渡る。

ついに第二回魔界統一トーナメントの予選が開始された。

 

――36ブロック

 

ガシッ

 

「よっしゃぁぁ!!行くぜ」

 

幽助は両手の拳をぶつけて気合いを入れた。

そして一気に駆け出した。

 

「オラァァ!!!」

 

幽助はまず一番近くにいた妖怪を一撃で倒した。

次の瞬間幽助の背後から別の妖怪が襲いかかってきた。

 

ガシッ

 

幽助は、左手の肘で相手の攻撃を受け止めた。

 

「甘えーぜ」

 

ドゴォォォ!!

 

幽助の右のストレートが相手の腹部に直撃した。

 

「ゲフッ……」

 

ドシャッ

 

妖怪はその場に崩れ落ちた。

 

 

幽助、ニヤリ。

「どんどんいくぜ」

 

――93ブロック

 

「人間風情が大会に参加してんじゃねー!!」

 

ビューン!!

 

「おっと」

 

桑原は敵の放ったストレートをかわした。

攻撃をかわした桑原は右手に霊気を集中。

 

ジジジ……

 

「霊剣!!!」

 

桑原の霊剣が妖怪を攻撃。

 

ビューン!!

 

ズバッ!!!

 

襲いかかってきた妖怪の腹を切り裂いた。

 

「ぐわっ!」

 

ドサッ

 

地面に呆気なく倒れる妖怪。

その様子を見ていた他の妖怪たちが集まってくる。

 

「あの人間やりやがった」

 

「一気にやっちまおうぜ!!」

 

桑原目掛けて複数の妖怪が同時に駆け出した。

 

「来るなら来てみやがれ!全部ぶっ倒してやる」

 

桑原は妖怪たちに向かって走っていった。

 

「うぉぉぉ!!!」

 

――38ブロック

 

「ハァッ!」

 

「うらぁぁ!!」

 

ビューン!!

 

二匹の妖怪が左右から同時に蔵馬にパンチを放った。

 

「風華円舞陣」

 

ズバッ!ズバッ!ズバッ!

 

「ぐわぁぁぁ!!」

 

「ぐぉぉぉ!!!」

 

研ぎ澄まされた花びらの刃によって、蔵馬に向かって来た妖怪たちは次々と身体を切り裂かれて倒れていく。

 

ドサッ!ドサッ

 

「俺に近づくと危険だ」

 

――85ブロック

 

「死ぬや!!」

 

妖怪は飛影に向かって走ってきた。

 

「雑魚が」

飛影はゆっくりと歩いて妖怪に向かっていった。

 

カチャ

 

そして腰の剣を手に取る。

 

ビューン!!

 

剣を抜くと横に一線。

 

ズバッ!!

 

「ぐわ!」

 

妖怪は飛影によって腹部を剣によって斬られていた。

 

ドシャッ

 

妖怪は地面に倒れた。

 

飛影はゆっくりと歩きながら次の相手に向かっていく。

 

「さっさと歯応えのある奴とやりたいとこだぜ」

 

――41ブロック

 

ここでは酔が暴れていた。

 

「オラァ!!」

 

片っ端から妖怪たちを殴り飛ばしていく。

完全に無双状態。

 

「楽勝!!」

 

――66ブロック

 

「魔妖妖」

 

シュルルルル

 

鈴駒の右手から妖気を込めたヨーヨーが前方から向かってくる妖怪たちに飛んでいく。

 

ドガッ!!

 

彼等の身体にヨーヨーが次々と当たっていく。

 

「うっ!!」

 

   「ガハッ!!」

 

ドシャッ

 

多数の妖怪が同時に地面に倒れた。

 

鈴駒、ニコリ。

「今回は流石ちゃんが出ていないから気が楽だわ」

 

――2ブロック

 

五匹の妖怪が一斉に鈴木に襲いかかる。

 

鈴木、ニヤリ。

「久しぶりに見せてやるか」

 

鈴木は意味のないポーズを決めた。

 

「レインボーサイクロン」

 

ドーン!!

 

「うわぁぁぁ」

恐怖に怯える妖怪たち。

 

ドガァァン!!!

 

鈴木が波長を変えた七色のレインボーサイクロンによって五匹の妖怪が一瞬で倒された。

 

――3ブロック

 

鈴木のすぐ隣の3ブロックでは凍矢が戦っていた。


「鈴木の奴、どうやらレインボーサイクロンを使ったようだな。相変わらず派手な奴だ」

 

「おりゃぁぁぁ」

 

ビューン

 

近くにいた妖怪が凍矢にパンチを放つ。

凍矢はその攻撃を素早くかわした。


「ハァッ!」

 

ドガッ!!

 

「ぐわぁぁ」

 

ドシャッ

 

凍矢が蹴りを放ち前方の敵を倒した。

 

「面倒だ。鈴木に負けずに俺も使ってやるか」

 

凍矢は左手の手の平に凍気の塊を集めて口元に持って来た。

 

魔笛三弾射」

 

ドドドド・・・!!

 

凍矢が凍気の塊を吹くと辺り一面にいる妖怪たちに向かって放たれた。

 

ドガ

 

ドゴ!

 

「がはっ!」

 

ドサッ!ドサッ!

 

次々と妖怪たちは倒されていった。

 

「陣も上手くやっているかな」

 

――111ブロック

 

「修羅旋風拳」

 

竜巻を帯びた修羅の右手で相手を殴りつけていた。

 

「早く幽助と戦いてーな」

 

――70ブロック

 

バッ!!

 

死々若丸は高く飛び上がると魔哭鳴斬剣を振りかざし、目の前にいる妖怪を思いっきり斬りつけた。

 

「爆吐髑蝕葬」

 

ドガァァァァァァ!!

 

「ぐわぁぁ」

 

ドシャッ


相手を倒した死々若丸の技によって地面は、大きく破裂した。そして技により現れた怨霊が近くにいた妖怪たちに向かっていった。

 

「なんだ、こ、こいつらは」

 

ヒュゥゥゥ・・・

 

「うわぁぁぁ!!」

 

辺りにいた妖怪たちは、怨霊に飲み込まれて倒されていった。


「ふう~」

 

大技を放った後で一息つく。

死々若丸は隣の71ブロックを見た。

 

「北神。前の大会での借りをお前に返さねばならない。奇淋に勝てよ。お前は俺が倒す」

 

――71ブロック

 

北神と奇淋を残して全ての妖怪は既に倒されていた。
そして両者は無言でお互いの目を見る。

 

北神vs奇淋

 

予選最大の戦いが今始まろとしていた。

 

続く

 

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