nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE #048「回想・黄泉vs孤光①(大会編・前章)」

ー―魔界統一トーナメント

 

四回戦

黄泉

×

孤光

 

超巨大植物の億年樹。

ここが黄泉と孤光が戦うステージ。

お互いに相手と一定の距離を保ち対峙している。

 

――メイン会場

 

この試合を解説をするのは小兎。

 

「黄泉選手は三回戦で浦飯選手と60時間に渡って戦い、見ている者が思わず手に汗を握る壮絶な激闘の末に、見事勝利。対する孤光選手は、無名ながらなんとあの北神選手を三回戦で撃破!一躍注目を集めています。この対戦は非常に注目の好カードとなりました」

 

黄泉は孤光の強さを推し量る。

(この女、前の試合でも実力を隠しながら、かなり抑えた力で北神を倒していた。予選からの動きを見て、こいつは雷禅の昔の仲間で間違いないだろう) 

 

鋭い目で黄泉を見る孤光。

(こいつが雷禅が長年争ってきたっていう黄泉って男だね。死んだ雷禅にとっては仇敵となる。私には最高の相手だよ)

 

黄泉、ニヤリ。

(相手が雷禅の仲間なら無駄な小細工は無用)

 

審判の女性が上空から二人を見守っている。

 

「始め!」

 

審判により試合開始の合図がかけられる。

注目の四回戦、黄泉対孤光の対戦が始まった。

 

ズキューン

 

試合開始の合図と共に黄泉がまずは仕掛けた。

素早い動きで孤光との距離を一気に詰める。

 

ビューン!!

 

黄泉は孤光の間合いに入ると強烈なパンチを放った。

 

(速い!)

孤光は予想外のいきなりの先制攻撃に驚く。

黄泉の一撃は孤光を完全にとらえた。

 

バキッ!

 

孤光は黄泉のズシッとくる強烈な一撃を右頬に受ける。

パンチを受けた衝撃で孤光の小さな身体は後ろに下がった。

 

孤光は殴られた頬を擦りながらニヤリ。

「いいね。いきなり真っ向勝負かい」

 

ズキューン

 

今度はさっきの黄泉を上回るスピードで仕掛ける孤光。

素早い蹴りを黄泉に放つ。

だが、黄泉には通用しない。

その攻撃を難なくかわした。

 

「トァァ!!!」

黄泉も孤光にお返しとばかりに素早い蹴りを放つ。

 

ガシッ!!!

 

孤光は身体の重心を右にずらし、左腕で黄泉の蹴りを受け止めた。

そして受け止めていた蹴りを弾くと、パンチとキックを大量に繰り出した。

黄泉はそれを腕で完全にガード。

鉄壁の守りをみせる。

孤光の攻撃が一旦収まると、次は攻守交代とばかりに、

黄泉が大量のパンチとキックを繰り出した。

孤光もまた腕で攻撃を完全にガード。

こちらも鉄壁の守りをみせる。

互いに譲らないお互いの攻防。

これから暫くの間、両者の肉弾戦は続いた。

 

肉弾戦の最中、黄泉のキックが空を切る。

この隙にバックジャンプした孤光は、身体を回転して遠くに飛び、黄泉と距離を取って着地した。

それを追いかける黄泉。

孤光は楽しそうに不敵な笑みを浮かべる。


「あんたとは面白い喧嘩が出来そうだね」

 

孤光も地面を蹴り、黄泉に向かって行った。

 

黄泉と孤光は同時に叫ぶ。

「ハァァ!!」


ビューン!!!

 

互いに繰り出す強烈なパンチ。

 

バキッ!!!

 

黄泉と孤光の双方の顔面にそれぞれの一撃が入った。


――メイン会場

 

スクリーンに映し出される映像を見た観客から歓声が上がった。

小兎の実況にも熱が入る。

「お~っと!!黄泉選手と孤光選手の一撃が双方の顔面に同時に入ったぁぁぁぁ!!!」

 

――闘場

 

殴られた箇所を触る孤光。

「フゥ~、いい一撃だね。今のはけっこう効いたよ」

 

同じく殴られた黄泉は、目の前の相手に血が騒ぐのを感じていた。

「この一撃を受けて確信した。お前は雷禅の仲間だ」

 

孤光、ニコリ
「そうだよ。“あいつ”に代わってあんたをぶっ倒してやるよ」

孤光はそう言うと強烈なキックを黄泉に放つ。

 

ガシッ!!

 

黄泉は両腕を胸で交差して孤光のキックの威力におされながらも防御した。

黄泉も孤光にキックを放つ。

孤光は滑らかな華麗な動きで黄泉のキックをかわした。

 

再び闘場内に響き渡る両者の声。
「ハァァ!!」


バキッ!!

 

ドゴッ!!!

 

ドガッ!!

 

ドガァァァン!!!

 

それからさらに数十分に渡り、黄泉と孤光による激しい打ち合いが繰り広げられた。

まさに現段階では、両者の戦いは互角と言える。


――メイン会場

 

観客たちはどよめく。

「何なんだあの女は…。あの黄泉と普通にやりやってやがる」

 

「ど、どっちもバケモンだ!!!」

 

小兎も孤光の戦いぶりに驚いていた。

「こ、これは、本当に凄いです!!!孤光選手があの黄泉選手を相手に先程から互角の闘いを繰り広げています!!」

 

――選手たちの休憩所

 

陣と凍矢が休憩所の中央に設置された巨大スクリーンで試合の様子を見ている。

 

「あの姉ちゃん、すげえなー。あの黄泉と互角にやりあっているぞ」

 

「酎を一撃で倒した棗とかいう女と同様に、魔界には隠れた実力者が多くいたってことだな」

 

――闘場

 

バキッ!!!

 

お互いの一撃が双方の身体にヒット。

ここで黄泉と孤光はお互いに一旦距離を取って離れた。

 

唇の血を手で拭う黄泉。

「強いな」

 

長い髪の毛を手で掻き上げる。

「流石だね」

(この黄泉って男、噂で聞いた限りでは、冷静沈着で計算高い男って印象があったけど、こんなに熱い戦いをする奴とは思わなかったよ) 


孤光、ニコリ。

「私はあんたの事を気に入ったよ」

 

黄泉、眉間に皺を寄せる。

「行くぞ」

 

ジジジ・・・

 

黄泉は右手を突き出して妖気を手の平に集中する。

 

孤光も黄泉が何か仕掛けてくると瞬時に感じ取る。

(これは妖気を手に集めている。遠隔攻撃の類か)

 

「ハッ!!!」

 

ドーン!!!!

 

黄泉は妖気弾を孤光に向かって放つ。

 

――メイン会場

 

スクリーンにアップで映し出される妖気弾。

 

「お~っと黄泉選手がここで孤光選手に向かって妖気弾を放ちました!!!」 

 

――闘場

 

「甘いよ!」

孤光は黄泉の放った、妖気弾に向かって行く。

 

――選手たちの休憩所

 

飛影も試合の行方をスクリーンで見ていた。

「あの女、よけるどころか、黄泉の放った妖気弾に向かって行きやがった」


――闘場

 

「ヤァァァ!!」

 

バチィ!!!

 

孤光は自分に向かって来た妖気弾を黄泉に向かって蹴り返した。

 

――選手達の休憩所

 

鈴駒が叫ぶ。

「す、すげえ!!」

 

幽助、ニヤリ。
「流石は親父の昔の仲間だぜ」

 

――メイン会場

 

小兎、叫ぶ。

「なんとぉぉ!!!孤光選手が黄泉選手の妖気弾を蹴り返したぁぁ!!!!!」


――闘場

 

ドーン!!

 

自らが放った妖気弾が黄泉の下に返ってきた。

 

「⊿#&∫&≡」

 

黄泉はその場から動かず呪術の詠唱を始めた。

 

――選手たちの休憩所

 

前の試合で黄泉と死闘を繰り広げていた幽助は黄泉の唱えた呪術が何か直ぐに分かった。

「出るぜ」

 

――闘場

 

「魔古忌流煉破反衝壁」

 

黄泉の前に全身を包み込む衝壁が現れた。

 

シュゥゥゥ・・・

 

孤光が蹴り返した黄泉の妖気弾は反衝壁によって吸収されていく。

 

「甘いな。妖気系の攻撃は俺には通じない」

 

孤光、ニヤリ。

「そうかい」

 

フッ

瞬時に姿を消す孤光。

 

「チッ」

黄泉は直ぐに気を探り、消えた孤光の姿を探す。

 

「ここだよ!」

 

ビューン!!!

 

姿を現すと同時に孤光は攻撃を仕掛けていた。

強烈な一撃が黄泉に向かって放たれる。

 

ガシッ!!!

 

黄泉は先程と同様に、胸の所で両手を交差して孤光の一撃を防御して受け止めた。


「ハァッ!!」

黄泉の反撃のキック。

 

孤光は黄泉の放ったキックを難なくかわした。

少し、黄泉と距離を取る。

 

「そろそろ私の真の力をあんたに見せてやるよ」

 

フッ

 

孤光の姿が黄泉の前から完全に消え去った。

 

ダッ!ダッ!ダッ!

 

不気味な地面を蹴るような足音だけが聞こえる。

 

――メイン会場

 

「あ~っと!!孤光選手の姿が消えました!!」

 

――選手たちの休憩所

 

夫である煙鬼が妻の戦いを見守る。

「孤光の奴、とうとう本気になったな。本気になったあいつは恐いぞ」

(ワシも正直恐ろしいわい)

 

――闘場

 

(………)

黄泉は慎重に研ぎ澄まされた聴覚で、消えた孤光の一つ一つの足音を冷静に音を聴き分ける。

 

ダッ!ダッ!ダッ!

 

(さあ、来い)

 

ボォォォ!!!

 

黄泉の右手に妖気で作られた炎が燃え始める。

 

――選手たちの休憩所

 

幽助が叫ぶ。
「あれは、黄泉の最強の技、炎裂撃!!」

 

蔵馬が休憩所にやって来た。

「黄泉の奴、ここで一気に勝負に出るつもりか?」

 

――闘場

 

黄泉の額から汗が流れ落ちた。

(浦飯との戦いで体力、精神力を大きく消耗したこの状態で、奴との長時間の戦闘は不利だ。最強の技で一気に蹴りをつける)

 

聴力を最大限に研ぎ澄ます。

「勝負だ!」

 

続く

 

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