nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #077「修羅vs鈴駒(大会編)」

――魔界統一トーナメント一回戦のAブロックの第七試合目が間もなく始まろうとしていた。

Aブロックの第七試合には、鈴駒と修羅が登場。

幽助たちにとっては注目の一戦となる。

 

――選手達の休憩所

 

「Aブロックの六試合目が終わったみたいだ。もうすぐおいらの出番だな」

 

鈴駒は休憩所の壁際に背中をつけて座り込み、スクリーンに映る対戦表を見ている。

画面の表示が切り替わり、対戦表には修羅と鈴駒の名前が表示された。

いよいよ、あの修羅と対決する時が来た。

鈴駒の側には、ハッパをかけに来た酔がいる。

 

「初戦がいきなり黄泉の息子とはな。今回はいきなりの強敵だ。鈴駒、負けんなよ!」

 

鈴駒、ニコリ。

「もちろん!勝ちにいくよ」

 

「しかし大変な相手だが、今回は鈴駒の力を存分に出せそうな相手だ。前の大会では流石に骨抜きにされちまって、全く力を出せずに負けちまったからな。あれは本当に見ていて本当に情けなかった」

やれやれと溜息をつく。

 

思わず酔にツッコム鈴駒。

「情けなくて悪かったな!負けて早々に自分を負かした女を口説く奴に言われたくないわい」 

 

「なんだとー!」

 

「なんだよー!」

 

お互いにムキになって顔を近づけて、目から火花を飛び散らす。

六遊怪チーム時代からの恒例のやり取りだ。

その酔と鈴駒のやり取りを遠くで、黄泉と修羅が様子を見ている。

 

「修羅よ、鈴駒の事はもちろん知っているな?蔵馬が以前、俺の所に連れて来た者だ」

 

「うん、大丈夫だよパパ。分かっているよ」

 

「総合力ではお前の方が上だろうが、決して舐めてかかれる相手ではない。心してかかれ」

 

修羅、ニコリ。

「大丈夫だよ。へへっ!いきなり歯応えのある奴と戦えるなんて嬉しいな」


会場からアナウンスが流れる。

 

「鈴駒選手と修羅選手は試合を始めますのでAブロックの闘場に急いでください」

 

「観客席で見ている流石ちゃんにいいとこ見せてやるか」

両手の拳をぶつけて気合いを入れた。

ゆっくりと休憩所から闘場に繋がる階段を上がっていく。

 

「パパ、行ってくるよ!」

 

父親に手を振ると階段をかけ登って行った。

 

黄泉、ニコリ。

「修羅よ、修行の成果を見させてもらうぞ」

 

鈴駒と修羅は共にAブロックの闘場に向かった。

幽助たちは闘場に向かう鈴駒と修羅の後ろ姿を見ていた。

 

桑原が隣にいる幽助に声をかけた。

「なあ、浦飯、鈴駒の奴はあの生意気な小僧とやるのかよ」

 

頷く幽助。

「ああ。あの二人だと面白い対決が見れそうだぜ」

 

蔵馬も隣にいる飛影に声をかけた。

「飛影はどちらが勝つと思います?」

 

「さあな」

 

飛影は蔵馬に背を向けると休憩所から闘場に繋がる階段に向かう。

 

「飛影は今から試合ですか?」

 

「ああ、退屈な相手だがな。さっさと終わらせてくる。強い野郎と早くやりたいとこだ」

 

蔵馬、ニコリ。

「焦らなくても飛影は二回戦で退屈ではない最強クラスの相手と戦えますよ」

 

「最強クラスが相手か。それはお互い様だ。お前も二回戦の相手が雷禅の仲間だろう?」

 

「まあね」

 

「俺にとっては雷禅の仲間がどうとか関係ない。俺が優勝するまでの道のりにいる只の通過点にしか過ぎないぜ」

飛影はそう言うとBブロックの闘場に向かった。

 

「飛影は相変わらずだな。お前がこの三年の間にどれほど強くなっているのか楽しみだ」

 

――メイン会場

 

スクリーンには鈴駒と修羅の姿が映し出されていた。

鈴駒の彼女の流石は観客席で鈴駒の応援。

 

「鈴駒ちゃんがいよいよ登場ね。あたしは今回は大会に出ていないからしっかりと応援しないとね」

 

小兎がマイクを握ると解説を始めた。

「Aブロックの七試合目には、あの黄泉選手の息子である修羅選手の登場です。前の大会では予選で、父親である黄泉選手と同一ブロックで当たるという大波乱があり、予選で敗退してしまいましたが、今回は初の本選出場でどのような戦いを見せてくれるか非常に楽しみです」

 

あの“ 黄泉の息子”というフレーズは観客たちをざわつかせた。

 

「黄泉の息子か!一体どんな技で相手を倒すのだろうな」

 

「修羅の対戦相手の鈴駒って奴は、前の大会で確か女の妖怪にボコボコにされた奴だ。修羅相手だとあっけなくやられてつまんねー試合になるかもしれないぜ」

 

観客たちの間では、修羅の圧勝というのが前評判なのである……。

それは前の大会で鈴駒は、流石の色香であっけなく敗れているせいなのだが、果たして今回の試合の結果は一体どうなるのか?

 

――Aブロック

 

上空から審判が修羅と鈴駒の様子を見ている。

「それではAブロックの第七試合、修羅選手対鈴駒選手の試合を始めます」


鈴駒と修羅が対峙している。 

 

「おいっ!僕は手加減なんかしないからな。降参するなら今のうちだぞ」

 

「まだまだチビッ子のくせにけっこう生意気な奴だな」

 

チビッ子という言葉に修羅がピクッと反応した。

「チビッ子!?そういうお前もチビッ子じゃあないか!」


鈴駒、ドヤ顔でニヤリ。

「おいらの方が修羅よりずっと年上だ」

 

修羅は鈴駒のドヤ顔に腹を立ててムキになる。

「年上だからってえばっていても僕とあまり見た目が変わらないぞ。このチビ!チビ!」

 

修羅の悪口に鈴駒はムカムカしてきた。

「口の減らない本当に生意気な奴だ!おいらが試合に勝ってそんな口をきかせないようにしてやる」

 

審判は鈴駒と修羅のやり取りを見て、さっさと試合を始めた方がよさそうと判断。 

 

「始め!」

 

審判の試合開始の合図の声が闘場に響き渡る。

修羅は試合開始の合図と同時に構えた。

「さあ、行くぞ」

 

ズキューン!!!

 

高速で一気に鈴駒に向かっていった。

鈴駒はいきなり動いた修羅に驚いた。

「いきなり!?」

 

修羅が攻撃を仕掛ける。

「ハッ!」

 

ビューン!!

 

鈴駒の顔面を狙ったパンチ。

 

バキッ!!

 

「くっ!」

 

ズズズ……

 

修羅の試合開始早々の先制パンチを顔面にくらい後ずさる。

 

「へへっ!試合開始と同時にいきなりとは驚いた。チビッ子のくせに凄く重いパンチだ」

 

鈴駒は笑みを浮かべると口元の血を手で拭う。

修羅はまたチビッ子という言葉に憤慨。

 

「またチビッ子って言ったな!」

 

修羅は地面を蹴ると鈴駒に次の攻撃を仕掛けた。

 

「オリャァァァァ!!」

 

ビュッ!

 

今度は素早い蹴りで攻撃。

 

鈴駒、ニヤリ。

 

トン

 

ピョーン!!

 

鈴駒は地面を軽く蹴ると身軽な身体を宙に浮かせて修羅の蹴りをかわした。

修羅の蹴りが空を切る。 

鈴駒は空中で修羅を小馬鹿にした。

「残念でした」

 

クルクルクル!!!!

 

鈴駒はその小さな身体を空中で急回転させて修羅に向かって体当たりする。


ドガッ!!

 

「うっ!」

 

ドタッ

 

強烈な体当たりが修羅の小さな身体にぶつかった。

修羅はその場に尻餅をつく。

 

「痛てて……」

 

クルクルクル

 

シュタッ

 

鈴駒は修羅から少し間合いを取って、離れた位置に着地をした。

修羅は直ぐに立ち上がると首を左右に動かした。 

 

「今のは結構痛かったぞ。僕の先制攻撃に対するお返しってわけだな」


鈴駒、ニヤリ。

「そういうこと。さてと力比べといきますかね」

 

修羅も鈴駒につられて、ニコリ。
「挑むところだよ」

 

ズキューン!!

 

修羅は高速で先制攻撃の時と同様に鈴駒に向かって駆け出した。

 

鈴駒の目が真剣になる。

「まずは肉弾戦でどちらが強いか勝負だ!」

 

ズキューン!

 

鈴駒も修羅に向かって駆け出した。

 

「ハァァァ!!!!」

両者は同時に声を上げた。

 

ビューン!!!

 

そして同時にパンチを繰り出す二人。

 

バキィィィ!!!!

 

「うっ!!」

 

互いの頬にそれぞれの拳がヒット。

 

バッ!

 

シュタッ!

 

互いに距離を置いて着地する二人。

 

「ウォォォォ!!!!」

 

ズキューーン!

 

再び鈴駒と修羅がぶつかる。

 

ドガーン!!!

 

――選手たちの休憩所

 

幽助たちが見ているスクリーンには鈴駒と修羅が凄まじい肉弾戦を繰り広げている光景が鮮明に映し出されていた。

 

桑原、腕を組んで感心。

「あいつら試合開始早々に激しい肉弾戦を繰り広げてやがるぜ」

 

幽助は両者の動きをチェックしながら見ている。

「今の所は両方とも力の探り合いって感じだ」

 

「本当の勝負はお互いがそれぞれの持ち技を使った戦いに移行してからになりそうだ」

蔵馬は両者の肉弾戦は長く続かないと見ていた。


――メイン会場

 

小兎は両者の戦いに興奮していた。

「あ~っと!これは凄いです。修羅選手と鈴駒選手が激しい肉弾戦による攻防を繰り広げています!!」

 

鈴駒の戦いぶりに観客たちはざわつきだした。

「あの鈴駒って野郎、中々やるぜ」

 

「ああ。あの黄泉の息子と互角にやりやっているぞ」


「鈴駒はあんなにすげーのに、何で前の大会で女の子妖怪に簡単に負けやがったんだ?」

 

「不思議だ……」

 

流石はスクリーンに映る彼氏を必死に応援していた。

「鈴駒ちゃん頑張れ~~!!!」

 

――Aブロック

 

「くらえー!!」

 

ビューン!!

 

鈴駒は強烈なパンチを放つ。

 

「甘いよ!!」

 

フッ

 

(!)

 

修羅は鈴駒の攻撃を瞬間的に姿を消してかわす。

空を切る鈴駒のパンチ。

 

フッ

 

修羅は鈴駒の背後に姿を現した。

 

「おいらの後ろか!?」

 

咄嗟に後ろを振り向く。

 

「そういうこと」

 

ビュッ!!!

 

修羅は素早く鈴駒に強烈な蹴りを放った。

 

バキッ!!

 

「うわっ!」

 

ヒュー!!

 

ドガァァァァァ!!

 

鈴駒は修羅の蹴りを顔面にくらって近くの岩壁に叩き込まれる。

 

「やるな!」

 

ズガァァァァ!!

 

鈴駒は岩壁から空高く飛び出した。

 

ボォォォォ!!!

 

修羅は両手に妖気を集中。

妖気の炎が両手に宿る。

 

ズキューン!!

 

岩壁から飛び出した空中の鈴駒に向かって高速で駆け出して、そこから高くジャンプした。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュ!!!

 

修羅は妖気の炎を宿した両手で鈴駒を空中で連打し続ける。

 

「くっ!!」

 

鈴駒は修羅の連打攻撃を両手で素早く防御しながら受け止める。

両者は空中から地上に降下しながら攻防を繰り広げていた。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!

 

修羅は攻撃の手を休めることなくさらに激しい連打攻撃を続けた。

 

(激しいな!!)

 

鈴駒はどんどん激しくなってくる修羅の連打攻撃を辛うじて防御しているが、徐々にさばききれなくなっていた。

 

「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!

 

(むっ……)

 

修羅の拳が鈴駒の頬を擦り、頬の皮が裂けて血がしたたる。

 

「でゃぁぁぁ!!!」


(!!)

 

ガガガ!!!!!!!

 

「うっ!」

 

修羅の激しい連打攻撃が、鈴駒の防御スピードをついに上回り、鈴駒の胸部に激しい連打を叩き込んだ。

 

「うわぁぁぁぁ!!」


ヒュー!!

 

ドガァァァ!!!!

 

空中から地上に鈴駒は叩きつけられた。

修羅はゆっくりと地面に着地した。

鈴駒は地面に倒れたまま全く動かない。

 

――メイン会場

 

観客たちが静まりかえる。

「これで勝負あったか?」

 

倒れている鈴駒を見て流石が叫んだ。
「鈴駒ちゃん!!!」


「修羅選手の凄まじい連打が鈴駒選手に直撃!!地面に叩きつけられました!!」

 

――Aブロック

 

修羅、ニコリ。

「もう!さっさと起きてよ!!その程度の攻撃で倒されるような奴じゃあないだろ?」

 

「まあね」

鈴駒は何事もなかったように立ち上げる。

 

「でも今の一撃は痛かったよ」

 

「へへっ!お互いのウォーミングアップはこんなもんかな」

 

「お互いの得意技でそろそろやりあうか」

鈴駒は両手を広げて両手の指の間に挟んだ八個のヨーヨーを修羅に見せつける。


「おいらの魔妖妖を見せてやる」 

 

「獲物を出してきたな。僕もそろそろ本気で行くよ」

 

鈴駒と修羅がそれぞれが本気になったことで、試合はこれからさらに激しさを増した戦いに突入していくことになる。

 

続く

 

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