幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #015「約束(序章)」
幽助「俺、魔界に行こうと思うんだ」
螢「はぁっ?あんた…いきなり人の家に来るなり、何言ってんのよ」
桑原と会った翌日に幽助は、再び魔界に行く話しを螢子にする為、彼女の家を訪れていた。
そして顔を合わすと同時にいきなり本題を切り出したのだった。
幽助「もうすぐ魔界で王を決める大会が三年ぶりに開かれるんだ」
螢子「それであんたは、その大会にでる為に魔界に行くっていうのね」
幽助「詳しくは外で話す。公園行こうぜ」
そう言うと螢子を連れ出して近くの公園に行く。
公園に着くなりブランコに座る螢子。
螢子「それでいつから行くの?明日?」
幽助「一応、三日後に行くつもり」
幽助はチラッと螢子の顔を見て様子を伺う。
(やべー~。一番怒っている時の顔だ)
螢子「それで温子さんにはもう行くって言ったの?」
幽助「いや、まだ…。螢子にまず言っとこうと思ってな」
螢子「そうなんだ」
螢子は立ち上がると幽助に背を向けて2、3歩前へ歩いていく。
幽助「そういえば、螢子は大学を出たら学校の先生になるんだったよな」
螢子「そうよ。小学校のね。昔からあんたみたいな悪ガキを相手していたから扱いには慣れたもんよ」
幽助「先生か…。得意のビンタは出せねーな」
螢子「しないわよ!ってあれ、幽助?」
一瞬で螢子の後ろに回る幽助。素早くスカートをめくる。
幽助「うっわ…。おめーいい年してこんなお子様みたいなパンツ履いてんのか」
螢子(プチッ)
ビシ!バシ!バキッ!
幽助が徹底的にボコボコにされています。しばらくお待ちください。
幽助「う~ん。黄泉以上」
ニコニコ顔で両頬を抑えながら呟く。
螢子「あんたみたいな馬鹿にはビシバシ使うわよ。全く幾つになっても変わらないんだから」
幽助「へへっ」
螢子「それでどのぐらいで帰ってくるつもりなの?」
幽助「まだわからないけど、帰って来るのは多分2、3ヶ月ぐらい先になると思う」
螢子「なら春ぐらいには帰ってくるのね」
螢子の顔が少し柔らかくなったのを幽助は見逃さなかった。
幽助「ああ。春までには人間界に帰って来るつもりだ」
(少し機嫌が良くなったな)
螢子「幽助、私が怒っていると思ったでしょう?」
コクッと頷く幽助。
螢子「最初は怒っていたわよ。また三年とか、いつ戻れるかわからないとか言いだすかと思ったからね」
幽助「春には帰ってくる。約束する。そん時は大会で優勝して魔王になって帰ってくるぜ!」
幽助は親指を立ててポーズを決める。
螢子「あんたが魔界に行っている間、あたしも大学があるから、2、3ヶ月なんかあっという間か。あたしは春にはまたこっちに帰ってくるつもりよ。その時に、大会の結果を聞かせてもらうわよ」
幽助「ああ。もし俺が大会で優勝したら」
螢子「優勝したら?」
幽助「結婚しよう」
幽助はニカッて笑う。
螢子は少し驚いた顔したが、直ぐに呆れ顔。
螢子「あんたからのプロポーズは子供の頃から数えると何回目かしらね。あんたの約束はあてにならないからな~。前は三年で戻ってくるって言って魔界に行ったのに、一年半で帰ってきたし」
幽助「まだ言ってら」
苦笑いで返す。
螢子「結婚ね~。少しは考えといてあげるわよ。だからちゃんと帰ってきなさいよ」
幽助「わかったよ。ぜってーに優勝して帰ってくる」
螢子「まっ、いつものあんたのことだから期待しないで待っとくわよ」
幽助「螢子~、愛してるって」
螢子「はいはい。あたしもよ」
その後、いつも通りの変わらない幼なじみの会話や、お約束のやりとりを繰り広げた二人。
穏やかな時間は直ぐに過ぎていく。
そしてこの日の夜、幽助は意外な人物からの訪問を受けることとなる。