nanaseの世界

このブログは週間少年ジャンプで連載していた、冨樫義博先生の原作漫画の幽✩遊☆白書の続編小説を中心に、映画のレビューや日々の出来事をメインにしています。

小説更新!!最新話公開中 幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #108「二回戦最終試合・凍矢vs戸熊(大会編)」

幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #079「修羅の実力(大会編)」

――魔界統一トーナメント一回戦のAブロックの第七試合・修羅vs鈴駒の戦いは続く。 


鈴駒は修羅の防御壁の攻略方法を探す為、修羅に接近して激しい攻撃を続けていた。

 

「これでどうだー!」


ビューン!!

 

鈴駒は強烈なパンチを修羅の顔面を狙って放つ。

 

ピキーン

 

ガッ

 

修羅が張る防御壁によって鈴駒の攻撃が阻まれる。

 

「くそっ!」

 

修羅は鈴駒に手を出さなかった。

ひたすら鈴駒の激しい攻撃を防御壁で防いでいたのだった。

その顔には、防御壁に絶対的な自信があるのか、余裕が伺える。

 

「残念でしたー」

修羅は舌を出して鈴駒を馬鹿にする。

この修羅の態度に、鈴駒はかなりムカムカしていた。

 

「こんにゃろー」

 

ブーン!!

 

鈴駒は今度は修羅の顔面目掛けて回し蹴りをくらわす。

 

「ばーか ばーか。それも無駄だよ」

 

ピキーン

 

ガッ!

 

またもや鈴駒の攻撃は防御壁によって阻まれた。

 

「くそ~っ!さっきから何度も何度も攻撃しているのに一発も当たらないぞ」


「パパ直伝の防御壁は最強だもんね。無駄だということがいい加減分かっただろ?」

 

「修羅、お前は攻撃してこないのかよ!」

 

修羅、ニコリ。

「そうだね。そろそろ飽きてきたし、ハンデは終わり。僕も攻撃させてもらうよ」

 

フッ

 

(!)

 

修羅の姿が一瞬で鈴駒の前から消え去った。

 

「ど、どこだ!?」

周囲を見回して修羅の行方を探す。

 

フッ

 

修羅が鈴駒の頭上に現れた。

 

「バーカ、こっちだよ~」

 

ビュッ!

 

(なっ!!)

 

バキッ!!!

 

修羅は鈴駒の顔面を蹴り飛ばした。

 

「うわっ!!」

 

ヒューー

 

鈴駒の小さな身体が蹴られた衝撃で吹っ飛ぶ。

 

ドシャッ!!!

 

地面に身体が叩きつけられた。

 

「何故だ?今のは全く修羅の動きが見えなかった!?」 

鈴駒はゆっくりと立ち上がる。

 

「ハハハ!行くよー」

 

ズキューン!!!!!!!


修羅は高速で一気に鈴駒の懐に入り込む。


「は、速い!?」

 

「ほらほら!」

 

ビューン!!

 

バゴォォォォ!!

 

鈴駒の顎に修羅の一撃が入る。

 

「ぐっ!」

 

グラッ

 

修羅の強烈な一撃は鈴駒の足をぐらつかせる。

 

「もう一発」

 

ビュッ!!

 

修羅は鈴駒の肩を蹴っ飛ばした。

 

バキィィィ!

 

「うっ」

 

ズザザザ……

 

鈴駒は修羅の蹴りを受けた衝撃で後ずさる。

 

「最初の肉弾戦の時よりも、修羅の攻撃力もスピードも格段に上がっている……。これが本気になった修羅の力か!?」

 

「僕が本気になったら動きについてこれないみたいだね。サービスで肉弾戦は防御壁なしで戦おうか?」

 

修羅は無邪気な顔をしている。

それはまるでイダズラをする子供のようだ。

 

この修羅の態度に鈴駒はカチンときた。
「おいらを舐めるなァァァァ!!」

 

ズキューン

 

鈴駒は怒りにまかせて修羅に向かって駆け出した。

 

ビューン!

 

鈴駒はパンチを修羅に放つ。

だが、修羅は素早く動いて攻撃をかわす。

 

「ほらよっと」

 

ビューーーン!!!!

 

修羅は攻撃をかわすと直ぐに鋭いパンチを鈴駒の腹部に撃ち込んだ。

 

バゴォォォォ!!

 

今度は鈴駒の腹部にまともに修羅の一撃が入った。

 

「ゲフッ……」

 

修羅、ニコリ。

「おまけだよ」

 

ブーン!!!!!

 

修羅は身体を回数させ、強烈な回し蹴りを放った。

 

バキィィ!!!

 

「うわァァァ!!!」


ヒューーーー!!!!

 

ガッ!

 

ドシャッ

 

激しく地面にバウンドしながら鈴駒は叩きつけられた。

 

「なんて強さだ……」

 

鈴駒はフラフラながらなんとか起き上がる。

息が荒くなり、身体に受けているダメージはかなり大きい。

 

「ハァハァハァ……」


修羅は小馬鹿にした感じで鈴駒を心配する。

「大丈夫?かなりきつそうだよ」

 

「ま、まだだ……!!」

 

ズキューン

 

鈴駒は力を振り絞って修羅に向かっていった。

だが、もはやそのスピードにキレはない。

 

ビューン!

 

修羅の顔面を狙ってパンチを鈴駒は放つ。

 

パシッ

 

鈴駒のパンチを右手で軽く受け止める。 

 

(!?)

 

「魔円咬と僕の攻撃によるダメージで、スピードが随分と落ちてきているよ。別に落ちていなくても本気を出した僕なら攻撃を受け止めるのは簡単だ」 

 

「ぐ……」

 

「お互いが本気になって戦ってみたらの力の差が随分と出てきたようだね」


スッ

 

修羅は左手を鈴駒の顔に向けた。

 

「ハッ!」

 

ドーン!!!

 

修羅が放ったのは衝撃波だった。

 

「うわァァァー」

 

ヒューー

 

ドガッ!!!!!

 

まともに衝撃波を受けて岩壁に叩きつけられた。

 

「でも初戦から僕に防御壁を使わせたのは凄いと思うよ。パパの言う通りだ。舐めてかかれる相手ではなかった」 

 

鈴駒は立ち上がれない。

(強い……)

 

――選手たちの休憩所

 

酔、陣、凍矢は修羅の圧倒的な力を目の当たりしていた。

 

「修羅の奴、マジで強いぜ。鈴駒がやばい」

 

「さっきまでは修羅と互角に戦ってたのになー」

 

「修羅が防御壁を出していざ本気になると、実力の差が段々と表面化されてきたみたいだ」

 

スクリーンに倒れている鈴駒の姿が大きく映し出された。

酔は拳を強く握り締める。

「鈴駒、負けるな」

 

――Aブロック

 

フラフラながら、鈴駒は立ち上がった。

まだその目は勝負を諦めていない。

 

ザン

 

鈴駒はヨーヨーを使う態勢に入る。

 

(今までの肉弾戦で唯一分かったことは、防御壁は常時張られてはいないことだけ……。おいらの普通の攻撃では修羅に勝てない) 

 

「ヨーヨーをまた出したな」

首を左右に動かしながら余裕の顔。

 

「修羅!行くぞー」

 

ビュー

 

鈴駒は左手の四個のヨーヨーを修羅に向けて放った。


シュゴー!!

 

ヨーヨーは回転し始める。

 

「魔妖妖ォォォォ」

 

グォォォォォ!!

 

修羅に向かってヨーヨーが飛んでいく。

 

「くらえェェェ!!」


クイッ

 

鈴駒はヨーヨーと繋がる指で糸を操作し、四個のヨーヨーを別々の動きに変化させた。

 

グォォォォォ!!

 

ガガガ!!!

 

ヨーヨーの一つが真っ直ぐに動き、二つのヨーヨが上に高く上がって上空から下に向かって動く。そして最後の一つが地面を削りながら動いて、それぞれが修羅に向かって行った。

 

「ヨーヨーに色々と変化をつけてもパパ直伝の防御壁は最強だよ」

 

グォォォォォ!!

 

ガガガ!!!

 

修羅に鈴駒のヨーヨーが近づく。

 

クィ

 

鈴駒は指でヨーヨを操作し同時に攻撃させた。 

 

ピキーン

 

修羅は身体にヨーヨーが直撃する寸前に防御壁を張った。

 

ガッ!

 

鈴駒のヨーヨーは修羅の防御壁によって攻撃を遮られてしまった。

 

「くそォォ!!」

 

修羅は自分が弾いたヨーヨーを見た。

 

シュルルル

 

鈴駒は防御壁に弾かれたヨーヨーを手元に戻すべく糸を巻き始めた。

 

修羅、ニコリ。

「そうだ!面白いこと思いついた。お前のヨーヨーを破壊しちゃおうっと」

 

ズキューン!!

 

修羅は鈴駒の手元に戻ろうとするヨーヨーに高速で向かっていった。


「なっ!?」

 

修羅はまずは真っ直ぐに飛んで来たヨーヨーに追いつく。

 

「ヤァァァァ!!」

 

ビュッ!

 

素早く蹴りを放つ。

 

グシャッ!!

 

蹴りでヨーヨーは簡単に粉々に破壊された。

 

「お、おいらのヨーヨーが!?」

 

ズキューン!!!!!!!


修羅は一つ目のヨーヨーを破壊すると再び高速で動いた。

 

「これで二つ目だ」

 

ビューン!!

 

修羅は次に地上から攻めてきたヨーヨーに素早く一撃をくらわす。

 

グシャッ!!

 

パンチで簡単に粉々になるヨーヨー。

 

「ラスト」

 

バッ

 

修羅は素早くジャンプして最後の二つのヨーヨーの破壊に向かう。

 

「修羅、後ろががら空きだぞ」

 

ビュー

 

鈴駒は右手の四個のヨーヨーで一斉に空中の修羅を後ろから攻撃した。

 

シュゴー!!

 

鈴駒の右手から放たれた四個のヨーヨーが回転し始めた。

 

「えいっ!」

 

ビューン!!ビューン!!


修羅は空中で素早く連続パンチを放つ。

 

グシャッ!!

 

グシャッ!!


二つのヨーヨーは連続パンチで同時に粉々に砕け散った。

 

「よしっ!」

 

グォォォォォ!!

 

ヨーヨーを破壊した修羅に鈴駒の放った四個のヨーヨーが背後に迫る。

 

鈴駒の目つきが鋭くなる。

「もらったぞ」

 

(後ろからか)

 

修羅は素早く振り向く。

 

「いいタイミングだったけど甘いよ」

 

ピキーン

 

修羅は直撃寸前に防御壁を張った。

 

ガッ!

 

四個のヨーヨーは防御壁の前に弾かれてしまった。

 

「あのタイミングでも防御壁を張れるのかよ!?」 

 

鈴駒は修羅の防御壁の凄さに驚きを隠せなかった。

 

「ついでにこれも破壊しとくか」

 

「まずい!戻さないと」

 

シュルルル

 

鈴駒は焦りながら、急いで四個のヨーヨーの糸を巻いて戻そうとした。

 

「もう遅いよ」

 

ブーン!!

 

修羅は空中で身体を回転させて回し蹴りを放つ。

 

グシャァァァ!!!

 

一ヶ所に集中していたのが仇となり、四個のヨーヨーは回し蹴り一発で粉々になった。

 

シュタッ

 

修羅は地面に着地した。

 

修羅、ニコリ。

「これで破壊完了」

 

鈴駒は自慢のヨーヨーを破壊されて呆然としていた。

(防御壁がここまで凄いとは……。幽助は黄泉と戦った時にあの防御壁を前にしてどうやって攻撃していたんだ?)

 

――選手たちの休憩所

 

桑原がスクリーンに向かって声を上げた。

「おいおいおい!!鈴駒のヨーヨーが全て破壊されちまったぞ」

 

蔵馬の顔も険しい。

「まずいな……。あれでは鈴駒は手足をもがれたも同然」 

 

逆に幽助は修羅を感心していた。

「修羅の奴はもう完璧に防御壁を使いこなしているな。あれなら黄泉と変わらねーぞ」

 

蔵馬が頷く。

「ああ。修羅はあの防御壁を無詠唱で張ることが出来ている。今の鈴駒では修羅を倒す手だてがない」

 

桑原が不思議そうな顔で幽助に質問。

「浦飯、おめーは黄泉と戦った時はあの防御壁をどうしたんだ?なんか弱点でもあったのかよー」

 

「あれには弱点なんかねーぞ。物理的な攻撃はマジでうけつけねーから、あれは本当に最強だぜ」

 

「だったらおめーはどうやってあのずっと張られている防御壁を攻略して黄泉を攻撃していたんだ?」


「桑原、あの防御壁は比羅のフィールドのように常に張られているわけではないぜ」

 

「そうなのか?」

 

「ああ。あの防御壁は一回攻撃を防ぐ度に消えるからな。無詠唱だから見た感じ、常に張られているように見えるが」

 

「そうだったんか。俺には全く分からなかったぜ」

 

「簡単な話し、あいつが防御壁を張る前に攻撃をするか、防御壁が消えると同時のタイミングで次の攻撃を当てるしかない」


桑原の額から汗が落ちた。

「おいおい、簡単な話しって……」

 

幽助はスクリーンから視線を離さず答える。

「それしかあの防御壁は破れねーよ」

 

――Aブロック

 

(あ~、流石ちゃんを追いかけてないで幽助の試合をちゃんと見とけば良かった) 

 

今更後悔していても仕方ない。

このピンチの打開策を考えないといけない。

 

「こうなったらおいらの新技を見せてやる」

(修羅の通用するかわからないけどヨーヨーを壊されたこの状態で修羅を倒す方法はもうこれしかない)

 

「新技?」

 

鈴駒、ニコリ。

「ああ」

 

ズキューン!!

 

鈴駒は修羅に背中を向けると反対方向に向かって駆け出した。

 

「どこに行くんだ!?」

 

鈴駒が目指している場所、それは闘場内に設置されている森だった。

 

「あいつの新技って逃げる技なの?」

突然の鈴駒の行動に呆然としていた。

 

「あっ!?逃げるなー!!」

 

ズキューン!

 

修羅は我にかえると鈴駒の後を追いかけた。

 

鈴駒の新技とは一体?

対決はいよいよ最終局面を迎えようとしていた。


続く

 

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