幽☆遊☆白書~2ND STAGE~ #065「そして大会へ(大会編・前章)」
――魔界2番地区・躯の居城
第二回魔界統一トーナメントが翌日に控え、桑原の
時雨との剣術修行は最終局面に突入していた。
桑原「うりゃぁぁぁ!!!」
ビューン!!!
霊剣を時雨の頭上目掛けて振り下ろす。
「ぬっ」
ガシッ!!
時雨は燐火円磔刀で、桑原の強烈な霊剣の一撃を受け止めた。
手応えのある一撃に、時雨は自然と笑みが溢れる。
「うむ。いい一撃だ。拙者の剣術をたった数日ながら随分とものにしたな。人間ながら大した男だ」
桑原の一撃は時雨の手が痺れるほど、強力になっていた。
「へへへ、やっと俺を褒めてくれたな。」
桑原の右手から霊剣が消え去った。
時雨は桑原の頭から足まで全身を見た。
「拙者の見立てでは、御主の今の実力は、霊界の基準で見るとすでにA級を遥かに超えてS級クラスに到達しているはずだ」
時雨が語るところによると、桑原は生まれつき剣の才能を持っていた。
僅かな期間とはいえ、剣術の達人から基本から実戦による本格的な修行を受けたことにより、秘めていた才能が一気に開花したのだ。
「マジかよ。俺にはあんまり実感がないが」
桑原は右手をギュッと握りしめた。
「数日間でこれだけ急激に霊力を上げるとは、おそれいったぞ。今の御主ならその剣もかなり使えるはずだ」
時雨は桑原のズボンの左のポケットを指差した。
桑原はズボンの左のポケットから、以前鈴木にもらった試しの剣を取り出した。
「これを使って次元刀を出せば、今までにない剣が出来た。前はこれを出しただけで霊気の消耗が激しくて気を失っていたからな」
「それは本当に変わった剣だな。強力なその能力は、大きく力の差がある相手にはかなり有効な筈だ。もう少し修行を詰めばきっとその道具を使わずに自らの手で作り出すことも出来るようになるぞ」
桑原は右手に次元刀を作り出した。
「だけどよー、やっぱり新しい剣は消耗が激しいから、大会はこの次元刀を使って戦うことになりそうだな」
時雨、ニヤリ。
「フッ、しかし次元を斬る防御不可能のその剣も特殊な能力だぞ。本当に御主は面白い男だ」
「そうか?」
「しかし御主を捕えようとした者たちは、御主の何の能力を必要としているのだろうな?」
「それがわかれば苦労がないけどよ。ま、考えれるとしたら試しの剣で次元刀を出したあの剣か……」
「とにか・・」
時雨が言いかけたその時、訓練所の外から足音が聞こえてきた。
桑原、瞬時にデレデレ顔。
「この足音は、雪菜さん!!」
桑原が言った通り間もなく訓練所に雪菜が入って来た。
時雨は困惑している。
(何で分かるのだ……。この男、底が知れん)
「雪菜さ~~ん」
雪菜に駆け寄る桑原のスピードはマッハを超えた。
「和真さん、時雨さん、躯さんが大会に参加する者は、明日は大会だから朝早くここを出発するので大会に備えてみんなゆっくり身体を休めるようにって言ってましたよ」
雪菜の言葉に時雨は頷く。
「確かにそうだな。心得た。桑原よ、修行はこれまでだ」
「は~い。わかりました!!」
(…………)
桑原は雪菜の隣であまりにも幸せそうな顔をしていた。
「やれやれだ」
時雨は苦笑いを浮かべながら、桑原と雪菜の二人が再会した時の事を思い出した。
ーー時雨の回想
それは数日前に遡る。
ガキーン!!
桑原の霊剣を時雨が弾く。
「桑原!もっと素早く動かないか!!」
「うぉぉぉぉ!!!」
死にもの狂いで時雨に襲いかかる。
だが再び弾かれる霊剣。
「何だその動きは!!情けないぞ!!」
時雨の厳しい叱咤の声が訓練所に響き渡る。
ガキーン!!
「よしよし!その調子だ」
その時、複数の足音が訓練所の外から聞こえてきた。
カチャッ
時雨は、燐火円磔刀を下げた。
「来客のようだ。修行は、一時中断だ」
「ハァハァ……。お、おう…」
シュゥゥゥ
桑原の右手からも霊剣が消えた。
訓練所の扉が開いた。
「おっ!やっているな」
桑原は訓練所に一番最初に入って来た男の顔を見て驚く。
相手が見知った顔だったからだ。
「久しぶりだな、桑原。暗黒武術会以来になるな。お前さん本当に魔界に飛ばされてやがったんだな」
「お、おめーは、酎!!?どうしてここに?」
そして酔に続いて躯が入って来た。
「これはこれは躯様」
時雨は躯の隣に行くと、酎の方に視線を向けて躯に話しかけた。
「あの者は、確か以前は黄泉の下にいた妖怪でしたね」
「そうだ。当時、黄泉の片腕だった蔵馬が黄泉の下に連れてきた妖怪の一人だ。あいつが桑原と知人とはな。不思議な縁だ」
「俺がここに来たのは、桑原、お前さんに会わせたい者がいてな」
そう言うと酔は楽しそうに桑原の背中をパンパンと叩く。
「痛てーよ。ったく誰だよ……」
酎、ニヤリ。
「今、お前さんが一番会いたがっている者だろうよ。おい嬢ちゃん、入ってきなよ」
「はい」
酎がそう言うと一人の少女が訓練所に入って来た。
「あ……」
桑原は驚きのあまりに言葉を失った。
彼の口は開いたままだ。
桑原の頭をガシッと掴む。
「な、会いたかっただろ?」
桑原が人生最大の声で叫ぶ。
「ゆ、ゆ、雪菜さ~~ん!!!」
そして桑原の大声が訓練所内に大きく響き渡った。
雪菜、ニコリ。
「和真さん。貴方が無事で良かったです」
雪菜は元気そうな桑原の顔を見て何かホッとしたような優しい笑みを浮かべた。
「雪菜さ~~ん!」
桑原は雪菜の下に駆け出した。
ガバッ!
雪菜の手を取る桑原。
「え……!?」
ギュッ!!
「きゃあ!?」
桑原は無意識に雪菜を強く強く抱きしめていた。
「雪菜さん……。無事で無事で本当に良かったっす」
突然の出来事にどうしていいか分からず顔を赤くする雪菜。
「か、和真さん……」
雪菜は目を閉じて安心した顔で桑原の胸に顔を埋めた。
酔が笑顔で冷やかす。
「やれやれ、俺たちもいるのによ~」
(良かったな。桑原、お嬢ちゃん)
「躯様」
「何だ、時雨?」
時雨は小声で躯に耳打ち。
《あの氷女は飛影の妹です》
「そうか。あの氷女がな」
躯はなるほどっと雪菜の顔を見た。
さらに冷やかす酔。
「おいおい、お前さんたちはいつまで抱きあってんだ?」
(!!)
桑原と雪菜は酔の言葉にはっとなる。
バッ
桑原と雪菜は慌てて離れた。
「は、ははは……」
桑原は顔を真っ赤にして照れた表情。
雪菜は下をうつむき顔から耳まで真っ赤になっていた。
「いいね~お前さんたち。初々しいぜ」
「からかうなよ、酎!親父かてめえは!」
酔に噛み付く桑原。
「照れるな、照れるな。みんな分かっているから」
雪菜、ニコリ。
「いきなりでちょっとびっくりしましたが、和真さんと本当に無事でまた再会出来て嬉しいです」
「雪菜さん」
桑原と雪菜の間にラブオーラがでていた。
躯がそれを見てやれやれと溜息をつく。
「盛り上がっている所に悪いが桑原に話しがある」
桑原「話し?」
ーー時雨の回想終わり
(そして躯様が桑原に大会への参加の事をお話しになったんだったな)
「おい、時雨!」
「何だ桑原?」
桑原は時雨の目の前まで来ると頭を下げた。
「俺にお前の剣術を教えてくれてありがとうな」
時雨、ニヤリ。
「ああ。よく拙者の厳しい修行について来れたな。拙者から学んだ事を活かして御主の大切な者をしっかり守れよ」
時雨はチラッと雪菜を見た。
(?)
雪菜は不思議そうな顔で桑原の顔を見た。
時雨の言葉の意味を理解した桑原もニヤリ。
「ああ。俺が絶対に守ってみせるぜい」
時雨は笑みを浮かべると訓練所を出る為、入口に向かう。
そして扉の前で足を止めた。
振り向かずに桑原に背を向けたまま話し出した。
「桑原。大会が始まればもはや拙者と御主は師弟関係ではない。拙者ともし対戦する事があれば、御主に拙者が教えた事の全てを出しつくすつもりで向かってこい」
「ああ。あんたに習った全てを出しつくしてそして俺が勝つ」
「楽しみにしているぞ。明日は早い。ゆっくり身体を休めろ」
「おう」
時雨はそう言うと訓練所を後にした。
「時雨さんって強くて優しい方ですね」
「そうっすね」
(時雨、ありがとうな)
桑原は時雨に学んだ剣術と新たな力を武器に大会に挑む。
ーー魔界3番地区・大統領府
幽助は雷禅の墓参りの後、同じく墓参りに来ていた煙鬼たちと合流し、大会がある3番地区に一緒に行った。
そして今は大会までの間に、大統領に滞在していた。
楽越とは3番地区に到着した時点で別れた。
大会での再会を約束して。
そしてゆりとも雷禅の墓参りの翌日に別れた。
彼女が7番地区に行く当初の目的の知り合いの元に行くとの事だった。
大会が始まれば幽助たちの応援に行くとの言葉を残して。
大会を翌日に控えて、幽助は煙鬼から借りている部屋の中で、大会でのイメージトレーニングをしていた。
しばらくイメージトレーニングをしていると、部屋のドアをコンコンコンと誰かがノックした。
「鍵空いてるぜ」
幽助がそう言うとガチャッと部屋のドアが開いた。
「煙鬼に聞いたら幽助がここにいるって聞いてね」
ドアを開けて部屋に入って来たのは蔵馬だった。
「お、蔵馬じゃねーか。今着いたのか?」
蔵馬、ニコリ。
「まあね。幽助の後を直ぐに追いかけるつもりだったんだけどね。人間界でちょっと色々あったから、着いたのはついさっきだよ。ギリギリ大会に間に合って良かった」
蔵馬は部屋の中に入ると幽助のベッドに座った。
蔵馬は幽助と別れてからの人間界での話しをした。
幽助を一番驚かせたのは、蔵馬に人間の彼女が出来たという事だった。
幽助は蔵馬を冷やかしつつも、蔵馬の新しい門出を祝福したのだった。
「蔵馬は、今日はこれからどうするんだ?」
「俺は、ここに残って明日からの大会に、備えて回復用の薬草の調合と戦いに使う植物の手入れでもしているよ。今回の大会は、前の大会以上に激しい戦いが予想されるからね」
「あれから三年も立っているんだ。みんなかなり強くなっているだろうぜ。陣や酎たちにも明日会えるのが楽しみだぜ」
幽助は早くみんなに会いたくて身体がウズウズしているようだ。
「煙鬼から聞いたが、その酎が雪菜ちゃんを保護してくれたみたいだね。桑原君が保護されていた躯のとこに彼女を連れて来てくれるとは思わなかったよ」
「ああ。そうだな」
「とにかく桑原君と雪菜ちゃんの無事の情報が煙鬼の所に入って来て良かった。彼等も躯たちと一緒にここに来るらしいし明日には会えますよ」
幽助と蔵馬の脳裏に元気な桑原の姿が浮かんでいた。
「しかしよー。煙鬼のおっさんからあの話しを聞いた時は、本当に驚いたぜ。まさか桑原の奴が大会に参加するなんてよ」
幽助の中では、桑原は人間界に直ぐに送り返されると予想していた。
意外な展開に正直驚いている。
「躯の提案らしい。それに下手に彼を保護して警護するより、大会に参加させてしまった方が魔界の猛者が揃う大会だから、奴等が桑原君を追って魔界に来たとしても簡単には、手を出しづらいだろうからね」
「そうだな」
ガシャ!!
部屋の窓が急に開き、強い魔界の風が部屋に吹き込むと
窓にかかっていたカーテンが激しく揺れ始めた。
幽助と蔵馬は窓の方を向くと笑みを浮かべる。
「久しぶりですね。わざわざそんな所から入って来なくてもここの部屋の入口から入って来たらいいのに」
「まったくだぜ」
部屋の窓から鋭い目つきをした小柄な男が入ってきた。
「いちいち面倒だからだ。お前等に会えればそれでいい」
蔵馬、ニコリ
「相変わらずだな飛影。とにかく元気そうじゃあないですか」
「ああ。邪眼でお前と幽助がここにいるのが分かったのでな」
幽助が嬉しそうにガシッと飛影と肩を組んだ。
「久しぶりじゃねーか、飛影。元気だったか」
「チッ、離れろ」
暑苦しくて嫌がる飛影。
「飛影、魔界でのパトロール生活はどうです?貴方は、物足りないでしょう?」
飛影が幽助の顔を押しのけて無理矢理剥がす。
「退屈だな。こんなくだらないものは。大会で俺が優勝してさっさと廃止にしてやるぜ」
飛影はうんざりした顔を見せた。
本当に嫌なのだろう。
「ハハハ。飛影には、そうかも知れないな」
「フン」
「飛影。躯の近くにいるお前の事だから、桑原君が異質な気を持つ謎の連中に狙われていることと、桑原君たちが黄泉によって魔界に飛ばされてきているのは知っているのだろう?」
頷く飛影。
「ああ。桑原を捕獲した時に、直接あいつから話しを聞いたからな」
「奴らの話しだと、俺たちの事を知っている者が奴らと接触して、桑原君や俺たちの事を彼等に教えていた。考えられるとしたら暗黒武術会の参加者か仙水の仲間の誰かと俺は睨んでいるが、飛影はどう思う?」
「誰でもいいさ。目障りな連中は、みんな倒してしまえばいいだけだからな」
飛影の答えに幽助も同意する。
「まったくだ。全部ぶったおしてやるぜ」
「フッ、お前たちらしいな。それで飛影、桑原君は元気にしているのか?」
「桑原とは、捕獲した後は直接会ってはいないが元気だ。あの馬鹿は時雨に剣術を習っているようだぜ」
「お、桑原の奴、スゲーじゃあねーか」
時雨の名前に蔵馬が強く反応する。
「あの時雨にか?」
飛影、ニヤリ。
「そういえばお前は奴と前回の大会の二回戦で戦っていたな」
「ああ。凄まじい剣術の使い手だった。倒すのにかなり苦労したよ」
「少し気になって、桑原の修行を覗いてみたが、時雨が本格的に剣術を教えていたのには驚いたぜ」
「確か前回の大会で、時雨と俺が戦った後にお前が言っていたな。飛影の剣術を教えたのと邪眼の移植は、時雨の手によるものだと」
「ああ。俺の邪眼と剣術の基礎は、奴によるものだ。だが俺の剣技は、奴から習った基礎を基に我流で磨いたものだかな」
蔵馬、ニコリ。
「でも良かったじゃあないですか飛影。弟弟子が出来て」
「何を馬鹿な事を言っている。剣を時雨から確かに習ったが、俺はあいつを師匠とは思っていないぜ」
「桑原君は、霊剣や次元刀という剣を武器に使うが剣に関しては、全くの素人だから本格的な剣術を時雨から習えば格段に強くなるでしょうね」
「さあな。だがあの馬鹿にしては頑張っているようだぜ」
「そういえば雪菜ちゃんとは、もう会ったのか?」
ピクッ
雪菜の名前が蔵馬の口からでてきて飛影の表情が少し変化した。
「ああ……」
蔵馬は飛影の様子から何かあったのだと感じ取る。
「煙鬼から聞いた話しだと、酎が見つけて雪菜ちゃんを保護し、桑原君のいる躯の所に連れて来たそうだけど、桑原君のいる所を酎に教えたのは、飛影お前だろう?」
蔵馬の鋭い指摘に恐れ入った飛影。
「チッ、相変わらず勘の鋭い野郎だ。雷禅の仲間の家で雪菜の無事が確認出来たから、あいつに会わずに帰るつもりだったが、帰り際に酎の奴とばったり会ってな、奴によって強引に引き会わされてしまった」
「フッ、そうだったのか。折角、雪菜ちゃんが魔界に来ているんだ。飛影、もうそろそろあの子にお前が彼女の兄だと言うことを名乗ってやったらどうだ?」
「どいつもこいつも俺に名乗れとうるさいぜ」
蔵馬、ニコリ。
「その言い方だと俺以外にも誰かに言われているんだな」
「酎と会った後に、雷禅の仲間だった棗とかいう女にも会ったが、奴が俺が雪菜の兄だと気付きやがった。全くお前と同様に勘の鋭い女だぜ」
飛影は、幽助と蔵馬に棗との出来事を話した。
「なるほどな。やっぱ親父の仲間はするどいんだな」
「棗がそんなことをね。大会で当たったらお前にとっては大きな強敵になるな」
「俺があの女に勝てばいいだけの事だ。今の俺なら負ける相手でもないし大した問題でもない」
「相手は、あなたに雪菜ちゃんの兄と名乗らせたいばかりに実力以上の力を出してくると思うけど。油断していると倒されちゃいますよ」
「あいつの強さは、前の大会で躯とやりあっているのを見たが、かなりのものだというのは分かっている。だがそれでも今の俺は負けないさ」
「まあいいですけどね。勝負にもし負けて兄と言うのを名乗らせられるのは、ちょっとカッコ悪いですよ飛影」
蔵馬はちょっと飛影をからかっているようだ。
「うるさいな。俺が負けないっていったら絶対に負けない」
蔵馬にからかわれたからかちょっとムキになっていた。
「ハハハ、冗談ですよ。飛影には油断はないでしょうからね」
「フン」
「飛影」
蔵馬は真面目な顔になっていた。
「俺は勝負とか抜きで、雪菜ちゃんにお前が兄だと名乗って欲しいと思っている。今後のお前の為にも雪菜ちゃんの為にも」
蔵馬に言われて面白くない飛影。
「フン。要らぬお世話だ。俺の心配より、お前こそ明日からの大会での自分の事を心配したらどうだ」
「御心配なく。最初はあの大会で優勝出来る力の持ち主なら、誰が優勝しても悪い世界に成らないと思ったから大会には出ないつもりでいたが、大会に出るからには全力でやらせてもらうよ」
「フッ、抗戦的なお前のことだ。出ないわけがない」
「否定はしないさ」
幽助は蔵馬と飛影の後ろにソッと近付くと後ろから二人の肩を抱き締める。
「ゆ、幽助」
「またか貴様。暑いから離れろ」
幽助、ニヤリ。
「明日から始まる大会。俺はおめーらにも躯や黄泉にも負けない。優勝してみせるぜ」
蔵馬と飛影は顔を見合わす。
蔵馬、ニコリ。
「フフ、幽助とは戦ったことないから一度戦ってみたいですね」
飛影もニヤリ。
「俺は例え誰でも立ちはだかる者は全員倒す。幽助、お前もな」
「大会、沢山暴れてやろうぜ」
幽助、蔵馬、飛影、それぞれの思いを胸に秘めて大会に挑む。
そして翌日。
新たな魔界の王を決める第二回魔界統一トーナメントがついに開幕する。
大会編へ続く